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タイトルのチリな夕べをご覧になって、今回はチリ鍋かぁ。。。と連想した方は、、、いないですよね。^^ 前記事、前々記事に続きまして、南米はチリ共和国関連の最後の記事です。チリの大学教授A先生は久々の来日、畏れ多いことにたくさんのお土産を頂きました。ピスコのボトルも地球の反対側から運んできていただきました。ありがとうございます。今日はピスコを開けて、チリ料理も作って思い出に浸ってみます。あの、チリの料理は辛いのだろうと勘違いしておられる方が多いのですが、チリペッパーとチリ共和国は関係ありませんよ〜。^^
先生から頂きましたお土産の一部です。チリの名産、魚貝類の缶詰とピスコにオリーブオイル。
チリでも私の飲兵衛ぶりはすっかりばれていますし、このブログもチリでご覧になって頂いておりますので、酒と肴をチョイスして下さったのでしょう。なお、家人には日本では手に入らないNestleのアーモンドやラムレーズンのチョコレートを頂きました。
この有機栽培のオリーブオイル、Ajo と書いてありますよね。スペイン語ではこれをアホと読みます。^^

アホとはニンニクのことです。つまりニンニク風味のオリーブオイルなのです。ちなみに、Sopa de Ajo とは、スペイン料理の定番、ニンニクスープのことです。これは精が付きますよ。アホのスープではないですからね。アホのスープというと、なぜか坂田師匠が運んできそうな気がしますね。^^
ピスコはチリやペルーでマスカット系のブドウから作られるブランデーの一種です。若い内に出荷されますので、色も無色か淡い黄色です。イタリアのグラッパ Grappa に近いかも。

このピスコは初めて見ました。Bou Barroeta というメーカーですね。よく見るとブドウの蔓が入っているではありませんか。これは楽しみです。^^
ちなみに、チリのピスコといいますと、もっぱらContorl や真っ赤な夕陽マークのCapel が有名です。

左はチリのイースター島のモアイを象った Capel のピスコ。左は昨年、大学の先輩からチリ土産に頂いたTres Erres (3つのR)のピスコです。
ピスコはピスコサワーというカクテルで飲むのがチリでは普通です。詳しい作り方はこちらをご覧下さい。

作り方の概略を申しますと、ジュースミキサーにピスコとライム(もしくはレモン)果汁を入れ、砂糖と卵白と氷を加えて一気に撹拌します。ピスコの香りに柑橘系の香味が加わって、爽快なカクテルが出来上がります。このピスコは、いままで飲んだものより、香りが鮮烈です。ピスコサワーにしても強い主張が衰えません。
これも今回、お土産に頂きましたチリのレモン絞り器です。

右の写真のように使いますが、よくある皿形の絞り器と違って、溝に種が引っ掛かって器に入らないので大変便利です。ピスコサワーなど、レモンやライムを何個も絞る時には威力を発揮しそうです。
今日は頂いた缶詰のうち、Choritos En Salasa Picante (ムール貝のスパイシーソース)を開けてみます。

ムールMouleとは、フランスの呼び方で日本ではムラサキイガイ、宮城ではしうり貝とかしゅうりなどと呼びます。フランスのムールと日本のムラサキイガイは近年、同種であることが遺伝子解析でわかりました。船の底に付いて渡ってきた外来種だったのですね。
チリはスペイン語文化圏ですから、ムールはMejillon(メヒジョン)なのですが、チリでは3種類のムールが有用種で、それぞれをChoritos(チョリート)、Cholgas(チョルガー)、ChoroZapato(チョロサパート)と呼び分けています。この缶詰は一番小型種のChoritosのスパイシーソース煮です。
オニオンスライスと今、我が家の畑で元気なルッコラを敷いて盛り付けました。

缶詰の煮汁にはレモン汁と塩を加えて、ドレッシングとして添えました。真っ赤ですが、Pimento(パプリカ)の色素でしょう。あまり、辛くはありません。
次は日本のムールを使った一品です。この料理はA先生から教わったムールの米入りスープ Sopa de Choritos con Arrozoです。

宮城のムールはこれからが旬、生殖腺も膨らんでいきます。まず、3人分で中鍋一杯のムールを用意します。最初に殻の付着物をナイフで削り落とします。足糸(物に付着するための糸)の束も引き抜いておきます。よく洗ったら、白ワインを振りかけて殻が開くまで蓋をして火を通します。この時ニンニクの微塵切りも一緒に入れて下さい。
殻が開いたら、ムールを殻ごと取りだし、煮汁だけを漉して鍋に戻します。水で薄め、白ワイン、塩を加えて味加減してから、米半カップほどを加えて再び加熱します。

チリでは最初から米と一緒に煮込むようですが、ムールの身が縮み過ぎると思いましたので、一旦取り出しています。米が煮えたら、再びムールを加え、温まったら仕上げにパセリの微塵切りを振り掛けます。このような米をスープの具として用いる手法は諸外国ではよく見かけますね。スープに少しとろみが付き、米もムールのスープを吸って上品な雑炊のようになります。
出来上がりましたSopa de Choritos con Arrozoです。

この器は以前、チリに行った時に買ってきたSopa用の土鍋型食器です。土鍋ですので軽く火にかけて、熱々を食卓に出せます。冬は保温効果も高くて重宝です。
こちらもA先生がよくチリで作っているという、和西折衷の料理です。

紅白なますのように、大根と人参を千切りにして、軽く塩をし、水気を良く切ります。これに練り梅をよく混ぜ、海苔を天盛りします。
これに先ほどのニンニク風味のオリーブオイルをかけて、よく混ぜて供します。

A先生が保存の効く日本の食品とスペイン料理の必需品オリーブオイルで創製した逸品です。
乗ってきましたのでFritos de pescado y mariscos も作りました。海の幸の空揚げですね。

本日は芝エビとタコにシシャモです。こういう料理があるとスペインやイタリアしているなぁという感覚に浸れます。^^
ただ、日本の空揚げとは粉が違うのです。よく見ると粒子が粗いでしょ。そうです、セモリナ粉なのです。

日本では小麦粉というと微細粒ものが主流ですが、南米でもヨーロッパでも小麦粉には粗挽きもあり、使い分けています。日本の蕎麦の世界では、粗挽きもあるのですが、小麦の粗挽きはほとんど見かけません。日本人は小麦粉に滑らかさだけを求めたためでしょうか。セモリナ粉で揚げたFrito の方がカリッとして美味しいですね。
セモリナ粉は通販で買えますので、是非試してみて下さい(こちら)。セモリナ粉に塩胡椒、オールスパイスやコリアンダーなどを好みで調合して、揚げる3分前に袋にネタとともに入れ、良く振っておきます。つまり、衣をよく馴染ませたら揚げるのがコツです。
市販の空揚げ粉は要注意です。あれは、鶏の空揚げを想定して作られていますので、シーフードには塩分が強すぎます。もし、使う場合は小麦粉や上新粉を等量混合するとよいでしょう。その場合もできれば、セモリナ粉をお使い下さい。
最後の一品は、チリの名物アボカドサンドです。これはエンパナーダ(関連記事)とともにチリでずいぶん食べましたね。

これを口にすると、サンチャゴの裏通りが目に浮かんできます。アボカドAvocadoは英語ですが、日本では誤ってアボガドとして広まってきます。スペイン語ではアグアカテ Aguacateと言われますが、チリではパルタ Paltaの方がよく使われます。夏ならば、完熟トマトのスライスもよく合いますね。今日はハムとルッコラを一緒に挟んいます。
それでは、Musica latina をかけて、ピスコサワーとともに、チリな夕べのスタートです。

我が家は長男が下宿中で、飲めるのが、私だけなんですよ。もっとも、夫婦で酒豪だったら、家計がとっくに破綻してますね。^^ で、一人で盛り上がっています。でも、家族もこういう料理が大好きなんです。
今日の主役はピスコサワー。飲み口はよいのですが、原料は35度もありますから、酎ハイ感覚で飲んだらすぐに酩酊します。チリでの失敗談もありますよ(こちら)。

気付いてみたら、ほとんどがシーフード。どうも、チリでもシーフードを多く食べ漁って来たせいか、肉料理のレパートリーはあまり多くありません、^^
ところで、ムールのスマートな食べ方をご存じですか。

最初の1個を食べ終えたら、その殻をピンセットのように使って、次のムールの身を挟み出します。この作法は世界のレストランでも通用します。それでも指先は汚れますので、手拭きはご用意下さい。
チリのお土産で色々作って楽しむことが出来ました。これに、セビッチェも添えたいところだったのですが、いくら何でも作りすぎでしょう。ピスコはアルコール度数が高いので、ワンボトルでも何回か楽しめます。次回はみちのくの海の幸を使ったセビッチェで南米の夕べをまたやってみましょう。世界の調理法をみちのくの食材で再現するのも馳走塾の奥義の一つですから・・・。^^

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