懐かしの味、イタリアのサルディニア島で食べた からすみのスパゲッティSpaghetti alla Bottarga を自家製のからすみ(前記事)で作ります。イタリアにもからすみが存在し、スパゲッティで食べていたんです。日本ではからすみを使ったそばやうどんが発展しなかったのは、日本酒とあまりに合い過ぎて惣菜に使うことが許されなかったからでしょうか。
このからすみ、実はボラではなく、天然ブリの卵巣(200円)で3週間かけて作りました。
外見だけではなく、味わいもボラのからすみに引けを取りません。
用意しますものは、3人前でからすみ(自家製のブリ卵)半腹、スパゲッティ(1.6mm)300g、オリーブオイル、鷹の爪、大蒜、胡椒、イタリアンパセリ、粉チーズ、塩です。
友人のイタリア人はペコリーノチーズ(山羊の乳で作ったチーズ)を隠し味に使うと言ってましたが、パルメジャーノで我慢します。イタリアンパセリは広葉タイプのパセリで、日本で普及しているパセリは縮緬タイプ。香りは同じですので日本のパセリでも構いません。
初めに、大胆にもからすみを摺り下ろしていきます。あ〜ぁ・・・ちょっと惜しい。
一部はトッピング用に薄切りにしておきます。3週間もかけて作ったからすみがどんどん減っていきます。(涙)
スパゲッティは塩を加えたお湯で所定時間茹で上げます。
パスタ100gに対し、お湯1リットル、塩10〜15gです。パスタに微かな塩味を感じるくらいで良いのです。
茹でている間におろしたからすみと粉チーズ、塩、胡椒に茹で汁を少し加えて良く混ぜておきます。
チーズが溶けてからすみと合わさった濃厚なソースとなります。チーズは完全に溶けなくてもパスタと和えた時の熱で溶けますのでご安心。
引き続いて、フライパンにオリーブオイルを熱し、潰した大蒜と鷹の爪を炒めます。
大蒜が少し色づき、鷹の爪も変色したら、それらを取り出します。要するに香りと辛味を油に移すのです。これに茹で上げたパスタを和えて塩胡椒したものが、イタリア人のかけそば、Aglio Olio e Peperoncinoですね。
茹で上がったスパゲッティをフライパンに移し、からすみとチーズの和え衣をよく混ぜ込みます。
パサつくようであれば、茹で汁を加え、味が薄いようであれば、塩胡椒で調えて完成です。
トッピングに薄切りからすみを乗せて、刻んだイタリアンパセリを散らします。
ブリの卵とは言え、天下のからすみを惜しげもなく使ったSpaghetti alla Bottargaです。これが不味いはずがありません。日本で普及している鱈子スパゲッティをうんと上品にして少しコクが加わった感じです。鱈子スパゲッティを発案した人はやはりイタリアのからすみスパゲッティをモデルにしたのでしょうか。
からすみは極東アジア(中国、台湾、日本)と地中海(イタリア)という不連続な地域で昔から作られてきました。これはボラという産卵期にまとまって獲れ、卵巣が大きく発達する魚が全世界に分布していたからでしょう。では、それ以外の国ではどうしてからすみが作られなかったのでしょうか。手前味噌な解釈ですが、やはり、魚卵の味覚を美味と感じ、味への徹底したこだわりを持つ民族だったからこそ作り上げることができた珍味なのではないでしょうか。実際、イタリアにも日本のいしるやしょっつるに相当する魚醤が存在します。塩蔵・発酵した魚の香りを美味しいと感じる点でも両民族の嗜好性は似ています。
(現在、オーストラリアでも生産されているようですが、日本人が技術移転したものとイタリア系移民が作っていたものとがあるようです。いずれにしろ、先住民や90%を占める白人が食べているものではないようです。)


