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お盆に手作り特濃胡麻豆腐

カテゴリー: 料理:穀・粉類

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迎え盆の昨日、我が家で初めての迎え火を焚いてみました。子供の頃の記憶と職場の同僚に聞いた情報を元に自分なりに体裁を整えました。我が一族の宗派は浄土宗なので、もしかしたらやり方が決まっているのかも知れません。


 

 色々調べてみると、本来は麻の繊維をとった茎を干した苧殻(おがら)を焙烙の上で焚くのが正しいのだそうですが、うちの近所じゃ手に入りません。農家出身の同僚の実家では昔からワラ束を燃やしていたそうですし、要は祖先の精霊を迎える気持ちの問題でしょう。で、以前に剪定した柿の枝が一山あったのでこれを焚きました。


 

 ただ、自分も細君も両親が健在ですし、亡くなった祖父祖母、叔父叔母だって、自分が育てた子供達の所へ帰るでしょうから、我が家には一体誰がやってくるのでしょう・・・。まあ、ここは祖先の精霊を何千何万という集合体として捉えて、それを敬う心を自分の中から引き出すものとしましょう。 全く理屈っぽい性格には困ったものです。^^

 

 

 

 


 お迎えした祖先の精霊のために精進料理を拵えました(前記事)が、もう一つ、丹誠込めて作ったのがこれです。
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   数少ない料理の十八番の一つに胡麻豆腐があります。これは材料も作り方も至って単純なのですが、それ故に努力の差がハッキリ現れてしまう料理でもあります。いつもですと、フードプロセッサーハンディミキサーを使って楽々に作ってしまうのですが、今回はお盆でもあり、ご先祖を馳走の心でお迎えするために筋肉痛覚悟で手作りします。

 

 胡麻豆腐を本当に滑らかに仕上げるためには、かなりの根気と腕力が必要です。そのため、禅寺では修行の一環としてこの胡麻豆腐作りを行っているくらいです。でも、美味しくできた時には苦労が報われ、食べて頂く方々も幸せにします。

 

 

 

 

 

 胡麻豆腐の材料は基本的には白胡麻と吉野葛。これに昆布だし、日本酒、塩が入ります。
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 吉野葛はマメ科の植物、葛の根から摂れる澱粉で、体を温めたり血行を良くしたりする効能があるので葛根湯という治療薬としても利用されてきました。片栗粉と異なり、砕かれた小片で販売されています。胡麻は黒でも作ることがありますが、味わいの上品さと優しさは白の方が上です。それと、お精進なので、だしは昆布だけにします。吉野葛こちらでお求めになれます。

 

 

 一応。材料の目安ですが、葛の分量により柔らかさに差がでます。下記に分量ですと、やや柔らかめになります。


 材料と分量(5cm四方の胡麻豆腐が12個)

材 料

数 量

白胡麻

300g

吉野葛 

80~100g

昆布だし  

900ml

日本酒 

100ml

塩 

小匙1/2

たれ

昆布だし・醤油・味醂

 

  冷やして食べる場合は柔らかめ、温めて食べる場合は硬めと覚えて下さい。なお、加熱の過程で水分が減り、出来上がり750ml位になりますので、それに応じた流し込む型を準備して下さい。


            
 

 

 

  さて、修行でもある胡麻擂りを始めましょう。
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 胡麻300gというと結構な量です。大きめの擂り鉢を用意するか、ない場合は何回かに分けて擂ります。床に布巾を敷いて鉢を置き、座った両足で固定したら擂り始めます。

 

 

 

 

 だいたい20分くらい擂り続けますと、油が出て湿った感じになります。
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 ぼそぼそしてきますので、もう一息頑張って下さい。これも美味しい胡麻豆腐を作るためです。かなり肩に来ますが、左右の腕を使い分けながら根性で擂りあげます。確かにこれは修行です。

 

 

 

 

 続いて、昆布だしを少しづつ注いでいきますと急にフワッと楽になります。山の峠を越えた感じです。
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 ここまで来れば、あとはそれほど力が要りません。昆布だしを入れてからも最低10分は擂り続け、胡麻のエキスを水分へ溶かし込むようにします。なお、昆布だしは後にも使いますので、1/3程残しておいて下さい。

 

 

 

 

 擂り上げた胡麻はサラシや重ねたガーゼで漉していきます。
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 鍋にザルを入れてその上で漉します。絞る前に中をそっと掻き混ぜて水分を鍋に落とします。

 

 
 

 

 

 布を絞り込んで、エキスを回収しますが、もう一度、布を開いて、昆布だしを注ぎ再度、エキスを抽出します。右は絞りかす、味も素っ気もありません。
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 苦労して擂りあげたのです。胡麻の美味しさは徹底的に取り出すのです。ちなみにこの絞りかす、なんとか食べられないかと考えたのですが、消化が悪いそうでなので、鉢植えの肥料にでもしましょう。もう気付かれた方もいらっしゃると思いますが、よく擂るのは滑らかさの追求ではなく、胡麻の美味しさを徹底的に取り出すためなのです。滑らかさの追求は次の練りの工程で行います。

 

 

 

 

 さて、胡麻豆腐作りも後半へ入ります。分量の吉野葛を水で溶き、鍋の胡麻エキスに加えます。
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 この時、日本酒と塩も加減しながら加えます。食べる時にたれも添えますので、塩味は薄目で結構です。この時の味見で胡麻の濃厚な味にビックリするはずです。吉野葛は鍋を火をかける前に加えます。片栗粉のように沸騰した胡麻エキスに加えるとダマになります。

 

 

 

 

 弱火でじっくり加熱していきます。ある時突然、底から固まり始めますので焦げ付かないようにヘラでかき回します。練り上げたら、型に流し込みます。
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 この作業を20分ほど続けますが、掻き回すというより、練り上げるという感覚です。これにより、滑らかさに磨きがかかります。練り上げた胡麻豆腐の生地は濡らした型に注ぎ込み、粗熱が取れたらラップをかけて表面が乾かないようにします。その後、よく冷めましたら、冷蔵庫でじっくり冷やして下さい。

 

 

 

 

 手塩にかけた胡麻豆腐の完成です。
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 やなり柔らかめですので、包丁で切れ目を入れてからフライ返しなどで取りだして下さい。山葵を乗せて、だし醤油(昆布だし4:醤油1:味醂0.5を煮たもの)を垂らして頂きます。

 

 

 

 

 ふるふるでざらつきの全く感じない胡麻豆腐。濃厚な胡麻の味わいは市販品では得られないものです。
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 これを口にした瞬間に全ての苦労が報われます。原因はわかりませんが、フードプロセッサーなどで作った時より数段美味しく感じます。これは、精神的なものだけじゃないように思えます。

 


 

 

 

 もう1品、デザートに豆乳抹茶豆腐を作りました。
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 これも精進なので、動物質は使いません。キリッと苦味が利いた抹茶豆腐を餡の甘さで頂きます。

 

 

 

 

 

 作り方は胡麻豆腐比べれば、楽々です。材料を火にかけ、滑らかになるまで練り上げるだけです。

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 豆乳900mlに抹茶(ひき茶)大匙1、砂糖大匙1、吉野葛100gを溶かして弱火で、ゆっくり練り上げるだけです。型に流し込んでからは胡麻豆腐と同じです。

 

 


 

 

 いつもは機械に頼って作っている胡麻豆腐ですが、久々に人力で作り上げました。翌日まで肩に筋肉痛が残りましたが、最近なかった達成感に浸っています。苦労しただけ美味しくなる食べ物は作り甲斐がありますね。わざわざ文明に反するのが目的ではなく、作る過程も楽しむことが大切です。食べた人はその苦労をわかってくれるはずです・・・とは言い切れませんが、馳走自分磨きでもあるということで納得しましょう。

 

 

 


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