山椒は小粒でもピリリと辛いという諺は、はるか昔、子供だった頃によく使われていました。では、どれくらい辛いのだろうかと子供ながらにも興味を持ち、緑の小粒なミカンのような実を口の中で噛み潰してみたことがあります。
忘れもしない、壮絶な状況が口の中で発生しました。けっして辛いではなく、電撃が走るような痺れが小一時間も続いたのです。それ以来、山椒は見るのも嫌だったのに、今ではニシンの山椒漬けや佃煮を作るのが待ち遠しくさえ感じるのですからよほど多くの時間が流れたのでしょう。
山椒の醍醐味は柑橘系の清々しい香りだけではなく、あの例の痺れにあります。日本ではこれも辛いで表現されますが、中国では麻と表現して、重要な味の一つとされています。麻は麻酔の麻で、痺れる感覚であるのは日中ともに同じですが、それを独立した味の要素として捉えるところが中国人の食に対するこだわりでしょう。
四川料理にはこの山椒の麻を生かしたものが多く、その代表的な調味料が麻辣醤(マラージャン)です。そして、これを使った料理で日本でもすっかり定着したのが麻婆豆腐であることはみなさんご承知のとおりです。
さて、また前振りが長くなりましたが、庭の山椒も若葉から結実の季節を迎えましたので、毎年恒例の山椒の実の佃煮を作っておきましょう。これは惣菜としてだけではなく、調味料としても威力を発揮します。これを使った京都のちりめん山椒は有名ですね。
まだ、木が小さいので、片手一杯くらいしか収穫できませんでしたが、これで十分です。
山椒の葉の香りも捨てがたいので、同量を準備します。
山椒の実や葉はアクが強いの一度、塩水で茹でこぼしておきます。本煮の煮汁は醤油、酒、味醂(2:1:1)を水で2倍に薄めたもので、実や葉がすっかり隠れる位入れてから煮始めます。
煮詰めている途中ですが、鮮烈な香りが鼻腔を刺激します。
この佃煮は実や葉を食べるというより、この香り豊かな煮汁を楽しむために作っていますので、だいたい煮汁が1/4位に煮詰まって、適当な濃度になったら完成です。
少し冷めたら、熱湯で滅菌したビンに詰め、完全に冷めたら冷蔵庫で保存します。 これをご飯に少々垂らして頂きますと最高です♪

爽やかな香りと微かに残る麻が、食欲の出ない夏の朝や二日酔い気味の時によく効きます。まるで漢方薬のような使い方ですが、ご飯が美味しく頂けるのですから有り難い限りです。
山椒は1本植えておくと、色々に使えて重宝します。我が家の山椒は朝倉山椒という品種ですが、実がブドウのように房なりになるブドウ山椒という品種もあるそうです。植える前にはネットで調べてみて下さい。



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