ソイの煮付け食べ比べ
カテゴリー: 料理:釣り魚
1月3日に壽丸さんのお誘いを受けて、釣り初めに行って参りました(前記事)。幸先のよい釣果に恵まれ、メバルやソイなどがちょうどよいくらい釣れました。その日のうちにメバルとアイナメは刺身で頂き、旨味よりコリコリとした歯応えを堪能しました。残ったメバルは開いて干物に、ソイ類は1日おいてから煮付けにします。
釣ったその日に煮付けにしますと、鮮度が良すぎて身がはぜてしまい見栄えが悪くなるだけでなく、タンパク質が分解して生じるアミノ酸等の旨味成分もまだ少なく、良いことがありません。これは、ソイメバル類に限ったことではなく、カレイや青魚でも同じです。
メバルの仲間3種類です。上からメバル、キツネメバル(真ソイ)、クロソイです。
一番上のメバルはみなさんすぐにわかると思いますが、キツネメバルとクロソイの区別が少し難しいかも知れません。特にどちらか1種類だけで判定するためにはそれぞれの特徴をしっかり把握する必要があります。
さて、クロソイとキツネメバルの見分け方のポイントですが、まずは体や鰭の色と模様が重要です。

クロソイ(上)はその名の通り、山水画のようなモノトーンの体色ですが、キツネメバル(下)は全体が少し薄紫色がかった下地に黒に近い小豆色の斑紋が入ります。さらに、キツネメバルの背鰭後方には体側の斑紋が入り込みます。それとキツネメバルの尾鰭や背鰭の縁辺に薄い水色の縁取りが入るのも特徴の一つとなります。
決定的な違いは目の下の棘です。これで体色から判定が付かなくても一発でわかります。

目の下、つまり上顎の上にある棘を見えやすくするために紙を挟んであります。クロソイ(左)は3本の棘がしっかりありますが、キツネメバルは板状で棘はありません。体色や斑紋で区別が付かない時は目の下の棘を見て下さい。なお、メバルとソイという呼び方には分類的にあまり意味がないようで基本的には同じメバルの仲間(メバル属)です。サケとマスの関係と似ていますね。ちなみにソイという呼び名は磯(イソ)+魚(イオ)から、ソイになったとか。
それでは、よく似たクロソイ(上)とキツネメバル(下)を煮付にして食べ比べてみます。お酒、味醂、醤油を水で割って少し薄味に煮付けました。
キツネメバルは宮城ではマソイ(真そい)と呼んでいます。普通、「真」を付けるのはその仲間で最も価値があるか、ごく普通にいる種類の場合が多いものです。なるほど、クロソイに比べてキツネメバルは身が粘りのある感じで味わいも幾分深く感じます。魚を食べ慣れた漁師が呼んでいる名前にはそれなりの意味があるのですね。もっとも、クロソイも十分に美味しい魚で人によってはこちらに軍配を挙げるかも知れません。
実はこの2種はメバル属の中で両極端の特徴があります。両種とも比較的大型になるメバルなのですが、クロソイは最も成長が早く、キツネメバルが逆に成長が極めて遅い種類です。上の写真のクロソイは全長30cmですが、今年の春で満2歳でしょう。一方、キツネメバルは22cmしかありませんが、3歳以上と推定されます。このようなゆっくりとした成長が味わいの深さと関係があるのかも知れませんね。
今回は仙台湾のメバルの仲間でソイと呼ばれる2種類をじっくりと味わいました。それぞれに独自の味わいがあり、優劣を付けること自体無意味でしょう。このような海の恵みを新鮮なうちに食べ比べられるのも釣り人の特権ですね。



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