チリワインとジビエの夕べ
カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹
週末に大先輩のお宅でチリワインとジビエ(狩猟鳥獣肉、Game meat)を楽しむ会が開催されました。最近でこそチリワインも日本での市民権を得たように感じますが、チリという国に対して具体的なイメージを抱ける人はあまりいないのではないでしょうか。特に三陸沿岸ではチリというと、1960年5月24日に襲ったチリ地震津波のことを思い浮かべる方が多いようです。
太平洋の対岸で地球のちょうど反対側に位置するこの国は「中南米の優等生」と呼ばれ、銅や木材・パルプ、フルーツ等の輸出を核に堅調な経済成長を遂げてきました。安定的で多角的な産業の確立も目指しており、ワインやギンザケ養殖にも精力的に取り組み、これらも1990年代以降急速に成長した輸出品目となっています。
南北4000Kmに及ぶ細長い国土を持つチリですが、ワインはそのほぼ中央に位置する地域で作られ、およそ13の産地(Valley ヴァレー)があります。 ブドウの害虫も少ない健全な土壌に恵まれ、ふんだんな太陽光と昼夜の気温較差によって素晴らしいブドウが生産されます。乾燥した長い夏が特徴のこの地域では、16世紀のスペイン植民地時代からワイン作りが行われてきました。ヨーロッパの産地では150年以上前に絶滅したとされるカルムネール種が、1994年にチリで再発見され話題を呼びました。チリでメルロ種として栽培されていたブドウのかなりの割合が実はカルムネール種だったのです。現在もチリワインの各産地では日々技術の研鑽が続けられていますが、かたやオーバー・プロダクションを懸念する声も出ています。
本日頂いたチリ直送のワインは次の4本。左からPRIMUS、MARUQUES DE CASA CONCHA、MEDALLA REAL、CARMENです。ワイン通の大先輩はカベルネ・ソーヴィニヨン系に絞って集めておられます。



それぞれについて、若干説明させて頂きます。横文字はワイン名・ワイナリー名・(地区名)です。
PRIMUS Veramonte(Casablanca Valley)
首都サンティアゴから海に向かうとバルパライソという街がありますが、その背後に位置するカサブランカ・ヴァレーのワイナリーVeramonteのPRIMUSです。カベルネ・ソーヴィニヨンの他に幻のブドウと言われるカルムネールも使っているようです。ギンとした渋味があるしっかりとしたボディのワインでジビエとの相性はぴったりでした。なお、これだけがビンテージが2003です。これはチリ在住の大学の先生が選んでくれたそうです。
MARUQUES DE CASA CONCHA Concha y Toro(Maipo Valley)
このマルケスのカベルネ・ソーヴィニヨンはチリワインの一大産地マイポ・ヴァレーのスタンダードとして、コンチャ・イ・トロ ワイナリーの中でも最も歴史のあるブランドです。カサ・コンチャとは1718年にスペインのフェリペ国王から授かった侯爵家の称号だそうです。単一畑で収穫したブドウだけをフレンチオークで熟成させた伝統的なワインで、PRIMUSより柔らかく甘味も感じる飲みやすいワインです。スパイシーでコクもありますが、ボディが少し軽めです。
MEDALLA REAL Santa Rita(Maipo Valley)
これも首都サンティアゴを流れるマイポ川沿いのワイナリーSanta Ritaのワインです。最近はホテル(CASA REAL)まで経営している大手ワイナリーです。このメダージャ・レアルはカベルネ・ソーヴィニヨンですが、シラーやカルムネールも作っています。まろやかで爽やかなワインで誰にでも好かれる味です。
CARMEN Carmen (Maipo Valley)
これもマイポ・ヴァレーのワイナリーCarmenのワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンとカルムネールで作られています。このワインは宮城の酒類販売チェーン店やまやも輸入していますので、よく見かけます。日常的なワインですが、スパイシーな喉越しで香りも強かったように記憶しています。(かなり酔ってきました)
さて、本日のお料理はジビエです。なんと炭火で焼いて下さるとのこと。最初は鹿肉です。

鹿はヨーロッパで何度か頂きました。種類は違うのでしょうが、血の気が多くモソモソした食感であまり良い印象がなかったのですが、日本の鹿はどうでしょう。
周囲をこんがりと焼き上げ、中心部分がほんのり温かくなるくらいで取り上げます。

鹿は焼きすぎますと、特にパサつきやすいのです。内部の温度は竹串を刺して5秒ほど待ってから抜き、唇に当てて把握します。
絶妙な焼き具合です。まだ、赤身が残っていますが、熱は通っています。

塩胡椒、柚子酢・山葵・芥子醤油など色々試してみましたが、私としては芥子醤油が一番マッチしていたように思います。決して贔屓ではなく、日本の鹿はフランスやイタリアのよりずっと美味しかったです。
続いて、猪に移ります。これは味噌漬けにしておいたそうです。

猪の美味さは脂にあります。あまり脂が落ちてしまわないようにさっと焙ります。
猪はいつ食べても美味しいですね。意味はないですが、食用菊のお浸しを盛ってみました。
野生動物とはいえ、さすが豚のご先祖です。脂と肉のバランスが良く、とても食べやすい。でも、豚にはない野性味と脂の甘さが感じられます。脂の層もふにゃっとしておらず、しっかりした噛み応えがあります。
本日はすっかりご馳走になり、体はチリワインとジビエにとっぷりと浸りました。地球の反対側のワインと日本の野生動物、新年早々、究極のマリアージュを堪能しました。大先輩とチリの先生に心から感謝します。ご馳走様でした。
← ご声援よろしくお願いいたします。m(..)m


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