【塩竈市】隠れた味処 りゃん亭
カテゴリー: 外食:居酒屋・割烹
塩竈ですごく魅力的な居酒屋さんを発見しました。仙台でいうと壽哲廸(おやじ)や伜(せがれ)に共通する古い民家風な佇まいなんです。ただ大きく違うのは、こちらは元フレンチのシェフがやっているところです。
実際、りゃん亭の猪股シェフは1999年まで多賀城市でフランス料理店Madam Rien(マダム・リャン)のオーナーシェフであり、その技術を持って和風の色彩が濃い居酒屋をひっそり隠れるようにオープンさせたのです。場所も繁華街から外れた市役所から西塩釜駅方向に徒歩3分位です。
塩竈で隠れるようにやっている味処りゃん亭です。夜は看板が光り、玄関までの敷石回りに庭園灯が誘導灯のように点り、まるで料亭のようですが・・・
日中は誰が見ても、アパートのようにしか見えません。初めて昼間に来た時は通り過ぎてしまいました。
アパートのように見える部分の1階は厨房となっているようで、入り口は右側の門扉のあるところです。
暖簾を潜り、民家のような玄関を上がると、そこには和風のダイニングが展開します。カウンター越しに厨房が見えるオープンキッチン式ですね。
座敷の隣の部屋には、大きなテーブル席があり、10人が座れます。こちらも部屋の内装は純和風ですが、テーブルや椅子はこれからフランス料理を食べるぞって感じです。
献立は季節の食材や県産品を取り入れ、日ごとに少しづつ変わっていくようです。値段もそれほど高くなくてホッとしました。
今日は本日のおすすめ3点セット(1200円)から始めます。最初に前菜替わりの魚のカルパッチョか刺身をチョイスします。迷いましたが、魚の味をそのまま味わいたいので刺身にしました。これは2人前です。
宮城では珍しいイシナギ(奥)と三陸沿岸でよく獲れる水ガレイ(ムシガレイ;手前)です。しかし、マダムは手前の魚をスイ(メバル属のソイ類)と説明されていました。確かに身は厚いのですが、残った皮の感じがソイ類とは異なります。いずれにしろ、どちらも淡白ながら、それぞれの個性的な味を主張しています。鮮度は申し分なし、熟成も効いてます。
続いて、ホワイトアスパラガスのスープが出されます。
お酒の肴にスープ??と思われるかも知れませんが、濃厚な味が意外と合うのです。ホワイトアスパラガスは宮城県でも最近よく栽培されるようになりました。土を被せて光に当てず軟白させたアスパラガスの芽ですが、最近は遮光シートで覆って生産するそうです。かつては缶詰でしか食べられなかったのですが、フレッシュのホワイトアスパラは茹で立てを食べると甘みも風味も強く感じます。このホワイトアスパラ、ドイツでは春の旬味として親しまれています。ちょうど日本人が筍やタラの芽を待ち焦がれるように。
メインは牛カツです。これはすごい。中は完全にレアですよ。これも2人前。ブロッコリーや芽キャベツなどの茹で野菜が添えてあります。
衣は熱々でカリカリ、中もほんのり温かいのですが、レアなんです。そういえば、神戸に住んでいた頃は、カツと言えば、ビフカツの方が多かったように記憶してます。東京ではビフカツはほとんど見かけませんでした。仙台でも同じですね。トンカツはビーフのcutlet(カットレット)が明治初期に日本に伝わって、その後、東京の洋食屋さんがポークカツレツとして、売り出したのが大ヒットしたとか。だから、関西では今でも原型の方が主流なのかも。
さて、続いてバンバン行きますよ。お新香、蛸茄子、水餃子です。どこで飲んでも居酒屋モードになってしまう悪い性癖です。
水餃子の皮は手作りでプリプリです。フレンチのシェフなのに色々な料理を勉強されたのですね。お酒も日本酒、焼酎、ワインと何でもあります。本日はビール、日本酒、焼酎と飲み倒しています。
スペインの生ハム、ハモンド・セラーノと最後に春キャベツとハムのパスタで締めました。
この生ハムの豊潤な味わい、、、噛みしめるほどにコクが出て参ります。飲んだ後のパスタはあまりやったことがありませんが、これはビアンコでさっぱりしているのでいいですね。
本日は6人だったこともあり、後半はすっかり居酒屋モードとなってしまいましたが、このお店は女性客も多いので、あまりハイテンションな宴会は慎みましょう。予約すればコース料理もやってくれるそうなので、相談してみて下さい。
りゃん亭 http://www.d9.dion.ne.jp/~kikuta7/
- 所在地 :宮城県塩釜市旭町7-8
- 電話 :022-367-4600
- 営業時間 :17:30-23:00
- 定休日 :日曜・祝祭日
- 駐車場 :1台
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