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中年サラリーマンが杜の都仙台を中心に美味しくて心に染みる食材や料理店を求めて食べ歩きます。休日には畑を耕し、食材の調達に海山にも出ることも。
サエモン@みちのく仙台~美味究真~
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伝統の味 ミンク鯨の刺身
カテゴリー: 料理:鯨類
昨日、スーパーの鮮魚コーナーに珍しく刺身用のミンク鯨がありました。鮮やかな色合いから冷凍物ものではなく、生のようです。これには衝動を抑えることができませんでした。ちょっと奮発して掌ほどの大きさのものを買ってしまいました。
ミンク鯨は長須鯨(ナガスクジラ)と同じく髭鯨ですので肉質が上質です。ちょっと、解説しますと、鯨の仲間は大きく分けて、髭鯨(ヒゲクジラ)と歯鯨(ハクジラ)に大別されます。髭鯨類は大きな口をペリカンのように開けて餌を海水ごと吸い込み、口の周囲に生えた櫛のような髭の隙間から海水だけを排出して餌を飲み込みます。
一方、歯鯨はマッコウクジラが大王烏賊(ダイオウイカ)と戦っている映像をご覧になった方もあるかもしれませんが、主食のイカをかぶりついて捕食します。なお、成体の体長で4m以下の歯鯨類をイルカと呼んでいますが、きっちりとは分けられないようです。
刺身用のミンク鯨です。きれいな赤身ですね。
これの竜田揚げも美味しいのですが、今回は少量なので刺身で大切に頂きます。
盛り付けてみました。薬味にはよくおろし生姜や大蒜(ニンニク)が添えられますが、大蒜は強すぎるように思えます。
私は生姜の他、おろし玉葱を絞ったもので食べるのが好きです。ミンク鯨の優しい味わいにはこの程度の香りで十分です。大蒜だと口の中がすべて占領された感じになります。
まずは、玉葱おろしで頂きます。
これが、美味しいんです。ミンクの持ち味を壊さないで軽やかな新玉葱の刺激が美味しさを引き立てます。
定番の生姜でも行きますよ。
玉葱に比べると、生姜の主張が強すぎるように感じます。やはり、鮮度のよい刺身に対して、きつい香りの薬味は失礼ですよ。^^ 今回はトイと呼ばれる脂肪層が付いていなかったので、さっぱりとした赤身本来の味を楽しみましたが、トイがある場合は薄切りにして赤身と一緒に食べ合わせると、トロの味わいになりますよ。
日本では大型鯨は10世紀頃から小型鯨はそれ以前から食料として捕獲して、有り難く利用してきました。脂だけを利用する欧米の近代捕鯨と違って、日本では1000年以上、骨や内臓まで徹底的に活用してきたのです。それに伴って、鯨に関する様々な食文化や伝統工芸が醸成されてきました。200海里内の鯨はその国の資源として大切に管理し、持続的に利用していくべきだと思いますが、どうでしょう。鯨が可愛い賢いという理由で神聖視され、野生の鹿や兎やカンガルーが食用として利用されている欧米の実態はダブルスタンダードとしか言いようがありません。


小学校の頃給食に出てました…鯨の竜田揚げ…
アツアツは良かったんですけど、硬くって難くって…残しては怒られていました(笑泣)
鯨は 父が好きで食べるんですけど、やはりにんにくで食べていますね~。
おろしタマネギとは 驚き&グットアイディアです。
父が今度帰ってきたときは、おろしタマネギで出してみますね。楽しみだなー☆
もう一つ心配なのが、今の若者たちが
「鯨なんて食べたことがないし、なくても困らない」
と言い始めていること。
戦後の占領政策に似て、こちらも搦め手から
我が国の文化を破壊されているようで腹が立ちます。
もう東京から戻られたのですね。そういえば、トンボ帰りとか書いて
ありましたね。お疲れ様です。
まったく、世界中をアメリカナイズして、食べ物までアメリカの物を
押し付けるやり方は、あまりに強引です。かつてはアメリカも捕鯨大国。
鯨油が他の燃料に置き換わって、必要がなくなったので捕らなくなっただけ
です。
その鯨を神聖視するように誘導したのは、批判が集中したベトナム戦争
の目眩ましと日本人に牛肉を食べさせるためでしょう。フリッパーはその
広告塔でした。
鯨は賢いが、野生の鹿や兎やカンガルーは馬鹿だから食べていいので
しょうか。この思想性こそ危険なように思えてなりません。
順番が逆になってしまいました。ごめんなさい。
私も学校給食の鯨は苦手でした。特に大和煮が出された
日は何か損をしたような気もしたくらいです。その頃は鯨の
刺身なんて想像も出来ませんでした。
ミンクジラの刺身は宮城に来て初めて食べましたが、目から
鱗が何枚落ちたことでしょう。上品な馬刺とマグロの中間の
ような感じで、感動しました。
鮮度がよければ、薬味も要らないくらいです。竜田揚げや
ハリハリ鍋もやってみたいのですが、何分、貴重品なので
滅多に手に入りません。
血の気の多い歯鯨の場合は、やはり大蒜が必要かも
知れません。鯨と言っても肉質が様々ですからね。
Pokaska
URL | [ 編集 ] 2008/05/07(水) 01:41:03
荒らすつもりは無いので…
私はサエモンさんの見方に賛同しつつ、多少違う見方でおります。
せっかくの問題なので文化摩擦ではなく、日本にとって良い影響や教訓になったらよいなと思うのです。
それはサエモンさんもよく語られる自然環境の保護という点です。わが国が資源管理して持続可能な漁業をする場合のもっとも目立つ分野が捕鯨でしょう。資源管理できる種であれば捕鯨して良いのは当然です。
ですが、残念ながらわが国の漁業は欧州に信用されていないと思います。ノルウェーの漁業について最近漫画(魚河岸三代目)で紹介されていましたが、驚きました。資源管理・自然保護の点で徹底しているのですね。欧米、特にドイツでは小売の段階まで資源管理漁業による産品がマークを付けられ消費者がその商品を敢えて選ぶそうです。
同じ魚食文化をもちながら、略奪型漁業を繰り返し、海岸線と河川をコンクリで固めて自然への関心を奪ったわが国と、資源を管理し、海岸線を守り自然への関心を育んできたノルウェーとは対照的です。
ノルウェーのような持続可能な漁業へと大きく転換することが必要ですし、それが結局は捕鯨問題での信用を得て、前向きな打開に至るのだと思います。欧米は文化的な傲慢さもありますが、鯨問題は彼らにとって自然環境保護の象徴でもあるわけです。
鯨の次はマグロ、また次はウナギetc…になるのでしょう。結局、問題とすべき点は、鯨では彼らの文化的な傲慢さがありますが、わが国の漁業のあり方でもあるべきでしょう。捕鯨問題が、文化摩擦とナショナリズムの発揮だけの意味しかもたないとすれば、それは不幸です。
資源管理の徹底した、持続可能な漁業の象徴としてのわが国での先進例こそ、捕鯨であるべきでしょう。それが本当に説得力をもつのは、わが国の漁業全体が持続可能な方向へと大きく転換したときだと思うのです。
荒らすなんて、とんでもない。正確な情報に基づいてよく練られた論旨です。
全く仰るとおりで、日本人は今まで世界の魚を食べ尽くしてきました。
地元の国では食べない魚まで、人の庭先で獲りまくった結果がEEZによる
締め出しですね。
方や日本国内では、昭和期の高度成長により海や川は乱開発と排水垂れ流し
で、生物生産力も著しく低下しました。要するに、国内では金になりやすい重化学
工業で金を儲けて、列島をコンクリートで改造することが最優先だったのでしょう。
一次産業は近代的な生活のためには犠牲なるのが当たり前の雰囲気もありました。
開発には土地や漁業権を有する農業者や漁業者が邪魔で、賠償金で動かなければ
強制代執行もありましたね。要するに食料は輸入や外国の海で大量に獲ってくれば
いいやという国家的な考えもあったのでしょう。
まだまだ、甘いかも知れませんが、開発に関しては以前に比べれば、ずいぶん
自然環境や生物に配慮しなければならない仕組みになっており、かつてのような
乱開発はもう出来ないでしょう。ただ、我々が現在の快適な消費生活を続ける以上
今でも、そのツケは確実に海や川に回ってはいますね。
ノルウェーの漁業も一度は荒廃しました。ですが、国家的に漁業を復興させるため、
ターゲット市場を世界で一番魚の消費が多い日本を選んだのです。サーモンもサバも
日本人の好みをリサーチしてサイズや仕様を決定しています。在日大使館まで総動員
して売り込みにかかってます。しかも、資源は完全国家管理ですから、持続的に利用
管理がなされるようになりました。まるで、倉庫の在庫管理のように。
我が国の漁業が一元的な国家管理をしにくいのは、古くから浦々には漁業者がいて、
原始的な漁協のような地域共同組織が発達し、ある意味、沿岸漁業は地域ごとに
管理がされてきたこともあります。
これに対して、明治期以降、動力船をいち早く導入して沖へ沖へと魚を捕りに
出かけた大手資本は着実に成長し、水産庁をも動かせる存在となって現在に至ってます。いま、太平洋のマサバ資源は低迷状態ですが、この復活を遅らせているのが大臣許可漁業の大中型巻網だとも言われています。学者や研究者が現在のTAC制度の見直しを叫んでいますが、動きが鈍いのはこのためでしょう。
それでも、日本は少しづつ、改善方向に向かっているでしょう。水産消費大国で
ありながら、水産物自給率(金額ベース)が70%を切ってますし、カロリーベースでは
確か30%にも満たないはずで、このことは消費者にも少しずつ浸透してきました。
さらに、外国産の食品は必ずしも安全じゃないことはよく理解できたこと思います。
結論としては、Pokaskaさんと同じで、今までやりたい放題で国土を使い、外国の
沿岸の資源までも荒らしてきた過去は改善しなければなりません。いや、正確に
いうと、その過去の体質を改善でしょうか。現在の日本の漁業でエコラベル(大水の
じゃなくMSCの)に認定されるものがいくつあるでしょう。でも、これが世界の消費者
のトレンドであり、持続的利用がされていない漁業により獲られた魚貝類を消費者
が買わないことで不合理漁獲は減っていくでしょう。
このように我々消費者もその改善に向けて努力する必要があるでしょう。例えイワシや雑魚でも美味しく食べてあげれば、外国からの輸入を少しでも減らせるはずです。といっても、もう既に水産物は海外での買い負けで輸入量は今後も減り続けるでしょう。自国の沿岸域の生産性向上と水産物の無駄のない消費しかこの国の魚食文化を維持していくことは難しいでしょうね。
PS
捕鯨に対する言及が抜けましたが、私の考えは過去の記事にも出ていますので省略します。捕鯨だけ維持して、日本の今の漁業構造をそのままで・・・とは思っておりませんのでご理解下さい。
げんた
URL | [ 編集 ] 2008/05/07(水) 11:51:26
あなたのような素晴らしい論客が何故
>脂だけを利用する欧米の近代捕鯨と違って、日本では1000年以上、骨や内臓まで徹底的に活用してきたのです
このようなことを書かれるのか理解できません。
殆ど欧米と同じようなことをしてきた日本の近代捕鯨は、何故この比較に登場しないのですか?
現に日本の調査捕鯨も、今もなお不要な部分を南極海に投棄しています。
それが証拠に、一頭当たり8トンのミンククジラを殺しながら、日本に持ち帰って販売される所謂調査捕鯨副産物は4トンしかありません。
わたしゃ、論客なんかじゃありませんよ。ただの食いしん坊です。^^
>殆ど欧米と同じようなことをしてきた日本の近代捕鯨・・・
そのとおりですね。長い日本の捕鯨の歴史のなかで、油取りや肉だけの輸送に終始した一時期は汚点以外の何ものではないでしょう。GPジャパンも日本の伝統的な沿岸捕鯨は認めているようですが、この汚点は痛烈に批判されています。ごもっともなことで反論できません。
現代の調査捕鯨も南氷洋では必要最低限のサンプリングに戻し、日本の排他的経済水域内での持続的捕鯨を可能にするための調査にエネルギーを割くべきでしょうね。南氷洋捕鯨で恩恵を被った大手水産会社も捕鯨からは脱退を始めていますし・・・
ところで、げんたさんは鯨をお食べになったことはございますか?
げんた
URL | [ 編集 ] 2008/05/10(土) 14:11:36
>ところで、げんたさんは鯨をお食べになったことはございますか?
私の育った地方では鯨の皮下脂肪の薄切りを熱湯に晒して食べていました。
終戦直後には緊急対策で南極で取れた鯨肉が配給されましたが、多分塩蔵肉だったのでしょう。 硬くて黒い肉でした。
それ以後も缶詰と赤いベーコンは好きで、時々食べていました。
ある時期から世界の捕鯨者たちが鯨に対して行った酷い仕打ちを知るようになり鯨を食べるのを止めました。
日本政府の捕鯨についての異様な執着には辟易します。
楽しい食べ物のページに水をさして申し訳有りませんでした。
こんにちは。げんたさんは私より少し先輩のようですね。私も子供の頃は硬くて不味い鯨を食べさせらていました。豚肉はご馳走でしたし。でも、あの時代の私たちの体は鯨のタンパク質によってかなりの部分を作られたと言っても良いのではないでしょうか。
GHQも戦後かなり早い段階で南氷洋捕鯨を再開させています。日本の窮状を救うには一番手っ取り早かったのでしょう。この状況を考えますと、一航海で可食部を少しでも多く輸送しようとするのは頷けますが、水産庁が今でも南氷洋捕鯨に固執するのは大手水産会社の利益に繋がるからでしょう。それと南氷洋捕鯨を放棄すると、次は日本の沿岸捕鯨まで攻め込まれると見ているのではないでしょうか。
個人的には伝統のある日本文化としての沿岸捕鯨が継承できれば良いと思っています。大手水産会社の一部は米国との取引に支障があるために捕鯨に関わるのを止め始めています。所詮、日本の文化の継承や地域の経済には関心がなったのですね。
鯨の尾羽(おば)、つまり晒し鯨はよく酢味噌で食べました。縁が赤いベーコンは大好物でした。今後、日本への海外からの水産物供給は確実に減少します。欧米での魚食嗜好と中国富裕層の海産鮮魚消費が高まってきているからです。
我が国沿岸の鯨類も適切に管理して、来るべき時代の蛋白源として温存しておく必要があります。そのために捕鯨の技術も繋いでおく必要があり、現在、細々とやっている伝統的沿岸捕鯨の火を絶やさないことが大切だと考えています。
また、何か不快に感じることがございましたら、ご遠慮なくコメント下さい。よろしくお願いいたします。
花逗牡
URL | [ 編集 ] 2008/06/04(水) 17:50:28
私は、捕鯨への世界の目が厳しい理由の一つに、捕鯨産業への不信感も大きいのではないかと思います。日本国内の捕鯨推進論を考えてみても、自国の乱獲を隠して、他国だけの責任にしようとする発言が多く見受けられます。これでは過去を反省していない。つまり、また同じ過ちを繰り返すと見られても仕方がないでしょう。
それに日本の捕鯨推進論は、捕鯨反対派への罵倒、誹謗中傷に満ちていて、排他的で、殻に閉じこもっているように思えます。(例:最近ではオーストラリアに対して白豪主義だ、と言う書き込みがよく見られます。)中には管理人様のように、聞く耳をお持ちの方もおられるのですが、残念ながらかたくなな態度をとられる方が多いです。ネット上に於ける、ここにお書きのげんたさんへの心ない仕打ちにも、それはよく現れています。
私は、サエモンさん同様、適切なレベルでの沿岸捕鯨継承は支持しています。特にコメント欄の5月7日にお書きのことには、ほぼ賛成です。また私自身、子ども時代、鯨肉も、サエモンさんお書きの尾羽、おでんのコロなどにも親しんできました。
それだけに捕鯨再開を目指す日本は、正しく自国の捕鯨史を認識し、不必要な日本捕鯨の美化と感情的な反捕鯨派攻撃はやめるべきだと思います。
>げんたさん 貴方の書き込みはいつも興味深く拝見しています。貴方の御意見には必ずしも賛成ばかりではありませんが、ネット上での無礼な仕打ちにも決して無礼で返すことなく、常に紳士的な対応で終始されていることに、敬服しています。
ご丁寧なコメントありがとうございます。
繰り返し述べておりますように、私も南氷洋における商業捕鯨と
日本沿岸の伝統的捕鯨とは別物と考えております。
もし仮に、IWCの科学委員会でも認められている改訂管理制度
に従って商業捕鯨を開始できたとしても、企業イメージのダウンや
狂信的な反捕鯨団体の嫌がらせに耐えられる企業はないでしょう。
その意味では現在の調査捕鯨の方が居心地がよろしいのでしょうね。
日本のかつての南氷洋捕鯨、、GHQが戦後日本の国民救済に
必要と判断して認めたものでした。そのお陰で我々が現在、存在するの
ですが、その当時はそれを批判する国もなかったわけです。昨今、この当時
のことが対抗事実としてよく使われていますね。
それは事実ですから、仕方がないでしょう。でも、また、あのようなことを
やれるはずがないでしょう。少なくとも資源を持続的に利用できる範囲での
捕鯨を調査しており、資源に影響が出ればやっていられなくなります。
もっとも、これは沿岸捕鯨のことですが。
花逗牡さんはずいぶんいろんなサイトにカキコされていますね。捕鯨で
検索され捕鯨が議論されている所で主張されておられるようですね。論調も
ぶれていないし本物だと思いました。また、特定の著作物を薦めているのも
わかりました。
沿岸捕鯨に関する文化的側面についての考えは、えいと@さん
http://eight-americann.seesaa.net/article/94518021.html#comment
と同じなので省略させて頂きます。ご了承下さい。
花逗牡
URL | [ 編集 ] 2008/06/07(土) 17:56:29
御返事有難うございます。また他所での書き込みにもお目を通して頂きましたようで恐縮です。
私の見解につきましては、既にここや他のブログでのコメントでご覧になりましたとおりで、これ以上述べるのは控えさせて頂きます。
「特定の著作物」ですが、恐らく「ザ・クジラ」と「鯨の教訓」のことではないかと思います。ともに捕鯨擁護、反捕鯨のどちらにも偏らずに、政治、経済、文化、歴史、資源など多方面にわたって客観的に論じた良書です。もしよろしければ御一読下さい。
それでは失礼します。
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