身欠きニシンの山椒漬けを作りました
カテゴリー: 料理:水産加工品
毎年恒例となってます身欠きニシンの山椒漬け作りのシーズンを迎えました。身欠きニシンの山椒漬けは海産の鮮魚に恵まれなかった福島県の山間部会津地方の郷土料理です。乾燥した身欠きニシンをじっくり戻して、山椒の香りとともに三杯酢に漬け込み保存します。会津地方では田植えの合間のお茶請けや昼食の惣菜としてよく利用されていたようです。
庭の山椒も青々と葉を開き、葉を摘み取るとむ〜んと柑橘系の香りが立ち込めます。
朝倉実山椒という品種ですが、庭の片隅の半日陰でも丈夫に育ち、木の芽や実山椒を恵んでくれます。
身欠きニシンはニシンを開いて乾燥させたものです。最近はソフトに仕上げたものもありますが、原点はやはりカチカチに干したハードタイプでしょう。
会津の郷土料理ですが、宮城でもこの時期になると店先に出回ります。山椒漬けだけではなく、京料理のように甘辛く炊いても美味しいですね。色々試してみましたけど、古典的なハードタイプの身欠きニシンの方が出来上がりに適度な歯応えと脂が残って美味しいという結論に達しました。
まずは、身欠きニシンを米の研ぎ汁に漬けて、柔らかく戻します。
米の研ぎ汁には、酸化したニシンの脂を取り除く効果もあります。保存状態の良くなかった昔、永年の経験から行き着いた知恵なんでしょうね。冷蔵庫で2日くらいかけてじっくり戻して下さい。
本漬けに移ります。材料は水で戻してから表面に付着した鱗や鰓蓋などをよく掃除した身欠きニシンと山椒の葉、醤油、味醂、醸造酢、鷹の爪です。

皮の表面にはしつこく大きな鱗が残っています。これが食べた時に邪魔になりますので、丁寧に掃除して下さい。なお、会津にはニシン漬け専用の陶器の角鉢があるのですが、ニシンが入る大きさの容器を用意して頂ければOKです。
ニシンと山椒の葉を交互に積み重ねていき、上からヒタヒタになるように調味液を注ぎます。
調味液は醤油、味醂、醸造酢が1:1:1です。最後に山椒の葉を被せるようにして、表面に落とし蓋代わりのラップを敷いて、上まで調味液が上がるようにして下さい。これで、5日目くらいから食べられますが、味がよく馴染むのは1週間目以降です。
じっくりと1週間漬け込んで味が中まで染みた身欠きニシンの山椒漬けです。削ぎ切りにして木の芽を添えます。

ニシンの脂に酸味と山椒の爽やかな香りが相俟って、素晴らしい味わいに仕上がっています。鷹の爪のピリッとした刺激もよいアクセントです。すっかり青葉になった山々を眺めながら、山椒漬けで冷や酒でもやりたくなりますね。^^これを焙って食べても乙な味ですよ。
海から離れた地方では、海産物の乾物を実に美味しく食べる料理法が発達してきました。会津のスルメの天ぷらもじっくり戻してから揚げた物ですが、美味しいですよ。京都でも身欠きニシンを始め棒タラなども洗練された料理に醸成させました。いまでは、流通も発展し、日本中に鮮度のよい海産物が出回っていますが、このような長い歴史と独特の技術の伴う料理は現代に生きる我々が伝承するしかありません。



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