我が家には小さな畑と庭がありますが、庭の方にも食用となる草木が半自生状態でごちゃごちゃと生えております。山椒、蕗、茗荷、芹、三つ葉、行者大蒜・・・これらも四季折々、料理に使っています。これらは古くから日本で食用として親しまれてきた有名な植物ですね。これらの他にも意外と食べられることが知られていない草木もあるのです。
今日は庭の草木だけを使った精進揚げをご紹介します。下の写真は庭から摘み取ってきた草木です。何だかわかりますか?
正解はそれぞれの天ぷらとともにお伝えします。
毒さえなければ、どんな草木も天ぷらにすれば食べられます。要は美味いか不味いか。
また、材料が何であるかわからないほどパリンパリンに揚げなくては食べられない物は、飢饉でも来ない限り無理して食べる必要はありません。天ぷらには肉厚で香りの強いものが合うように思います。
これはユキノシタです。半日陰の庭のグランドカバーとしてよく使われます。丸い葉っぱと白い縞模様が特徴です。

葉を乾燥させたものは煎じて飲むと利尿、消炎効果があるとされています。あまり揚げ過ぎるとしんなりとした食感がなくなってしまいますので、衣が固まったらすぐに油から引き上げます。クセは全くありません。衣は葉の下面にだけに付けて、独特の模様を活かしましょう。
続いて、柿の若葉です。新しい枝先から葉っぱ3枚目くらいで折り取ります。

柿の葉は有名な健康茶の原料。ビタミンCが豊富なことからお茶として利用されてきましたが、若葉の天ぷらも美味しいですよ。よく味わうと少し緑茶のような味がします。
これは藤の花です。うちのは白藤ですが、薄紫の藤の花でも食べられます。

純白の白藤を白く揚げるのは難しいですね。衣が固まる頃にはどうしても色付いてしまいます。薄紫の藤の花なら目立たないでしょう。天ぷらにしても藤の花の香りがほんのりして、噛んでいるうちの密の甘味が出てきます。なお、藤はマメ科ですので、新しい蔓の先も食べられますよ。
お次はドクダミです。もう、逃げ出した方もいそうですね。^^

たしかにドクダミの匂いが好きな人はほとんどいないでしょう。でも、ベトナムではハーブとして普通に食べられていますし、日本でも古くから解毒や利尿の煎じ薬として利用されています。天ぷらにすることにより、あの匂いはほどよい香りになります。ちょっと、コリアンダー(香菜、パクチー)の香りに通じるものがありますが、コリアンダーがコリャヤンダーな向きにはだめかなぁ。でも、コリアンダーは中国や東南アジアだけでなく中近東や中南米でも使われるインターナショナルなハーブで、この香りを使わないのは日本料理くらいなんです。
最後はスギナです。まさかと思われるでしょう。ツクシが食べられるんだから姿が変わったスギナもOKです。

スギナは栄養茎と呼ばれる姿でツクシは胞子茎です。スギナは美味しさと言うより、その姿を楽しむ天ぷらです。よく、素麺を束ねて一方を海苔で巻き、衣を散らすように揚げて稲穂に見立てる手法がありますが、こちらは緑の杉に降りかかった雪のような感じです。下の方は硬いので葉先に近い部分をを摘み取ります。味はよく噛んでいると抹茶や新しい畳のような香りがあって悪くはありません。
ごたごたと盛り付けてしまいましたが、こうして出すと誰も庭の草木だとは思わないでしょう。
スギナやドクダミは雑草扱いですが、どうせ抜き取って捨てるのなら、天ぷらをする日にやって、夕餉の話題にしては如何でしょう。
飽食の時代です。節約・倹約のために草木を食べるのではなく、野趣を楽しんでみましょう。野菜・山菜・草木の違いを問い直すよい機会ともなります。草木のようなものしかなかったら、誰でも辛いでしょう。人類は少しでも食べやすい山菜や野草を求め、さらにそれらを育種・改良して野菜を作り上げてきました。草木の天ぷらを食べるとその過程が目に浮かぶかも知れませんよ。
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