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【読書感想】  日本の「食」は安すぎる (講談社+α 新書)

カテゴリー: 未分類

 日本の「食」は安すぎる(講談社+α新書)   山本謙治著  
  
     無添加で日持ちする弁当はあり得ない

    
yamaken.jpg 

今回は読書感想です。美味しいものを期待していた皆さま、ごめんなさい。
でもね、これから美味しいものを食べていくためには避けては通れない現実
なので、ご面倒でも是非ご一読下さい。所要時間は5~6分ですので。
 
 

 
 
 最初、この本のタイトルを見た時、正直、庶民に対して『なんと挑発的な。』と思ってしまいました。ただ、副タイトルが『無添加で日持ちする弁当はあり得ない。』だったので、何となくわかったような気もしました。調理加工品を安く売るためには、日持ちがすればするほど有利なのは当然なことです。そこで、不本意ながら添加物保存料も使っているというのが実態で、使わなければ本来、値段ももっと高くなるということでしょう。
 
 
 
 これだけであったら、たぶんこの本を読まなかったでしょう。中国産餃子事件の原因究明がオリンピック終了後やっと本格的に始まった矢先、メタミドホスやアフラトキシンが含まれた事故米が給食や加工原料に使われ、中国で死者や腎臓結石患者を多数出したメラニン入り牛乳を使った菓子やパンが売られていたという日本中が震撼する事件が立て続けに起きている現在、急いで読むほどではないと判断しました。
 
 
 
 ところが、この本のブックカバーに書いてある『タブーを犯さなければ生産者は生きていけない。には激しく反応してしまいました。農業だって畜産だって漁業だって養殖だって、一次生産者は安い輸入品と原油の高騰に喘ぎ、苦しい生産を余儀なくされておりますが、タブーは犯していないでしょう。それに、昨今の日本における食品偽装はことごとく、食品製造業者、流通業者、販売者が行っているというのに、一体どういう了見なんだと思ってしまいました。
 
 
 
 そんなわけで、この本を購入して一気に読んでしまったわけですが、結論としてちょっと誤解を招きやすいブックカバーのコピーだったことがわかり、消費者側からのアクションこそが食品偽装をなくし、国内の食品産業を支えていく原動力になるのだという主張に共感した次第です。御用とお急ぎでない方は以下の読書感想文を読んでみて下さい。ですます調では書きづらいので、である調で書いております。なんだか感想と自分の意見が半々になっちゃいましたけど。^^



 
 
 読 書 感 想 文 :日本の「食」は安すぎる 山本謙治著
 
 
    この本の論旨を端的に言うと、「日本の「食」は安すぎる。」すなわち、「消費者が安さばかりを追い求めると、販売者や製造業者も生産者が採算の取れる値段より安い輸入品や類似品を仕入れざるを得なくなり、食品偽装を引き起こすことになるので、消費者は国内産業を買い支えるため、買う(買わない)という権力を行使して不当に安い食品を排除すべき。」ということだろう。

 著者である山本謙治氏は30代ながら農産物流コンサルタント会社を設立した人物で、学生時代から農業に強い関心を持ち、キャンパスに農場を開墾したこともあったそうだ。つまり、農業の実態に精通した流通サイドという立ち位置からこの本を書いている。また、自分は消費者でもあるとの発言も随所に見られる。そういう意味ではどちらかに偏った主張ではなく、かなり公平な立場から食品の問題を分析して対策を論じた貴重な本と言えよう。

 山本謙治氏、通称やまけんさんは、実は以前より彼のブログを通じて知っていた。オフ会で農業や畜産業の現場に消費者を連れて行き、生産の実態や本物の生産の難しさを教えている。しっかりした根っ子とバイタリティーを感じさせる若くても尊敬できる人物の一人である。

 この本では上記の結論に至るために、彼の豊富な知識と体験を身近な食品を例示して、いかに不当な値段で売られているか、また、消費者がいかに偽物を買わされているかを焙り出していく。豆腐や納豆、牛肉や卵、ハムやラーメン・・・等々を国産原料でまともなものを作れば、数倍以上の価格でないと採算が取れないことを実証してくれている。

 よくわかる。消費者が安全な国内産の食材を求め、国産原料を使った本物の加工食品だけを求めるようになれば、国内一次産業は活性化し、食料自給率も一気に向上するだろう。ただ、それは消費者の家計に余裕があってこその話だろう。バブル経済崩壊後、企業は組織や正規社員をリストラし、人件費の安いパートで対応することにより生き延びてきた。さらに、昨今の燃油や食料品の値上がりは庶民の生活を相当圧迫しているのが現実だ。

 このような状況下で、チラシを見比べ、1円でも安い商品を探して買い求めるのは消費者の自然な行動である。また、販売者も集客を目的として1円でも安く供給しているのも事実だろう。だが、その地域に競合店がなくてもそうだろうか。競合店との競争の結果、生き残りのために他店より安くしている量販店も多いのではないか。かつて消費者側から量販店に対して、1円でも安くしろ要望したことがあっただろうか。値段を決定しているのは一体どちらだ。どうも、この議論は鶏が先か卵が先かのループに陥りそうである。

 消費者だって、連日報道される食品偽装事件、特に健康被害も出ている実態をいやというほど見せつけられ、輸入食品の危険性を重々承知しているはずである。そのリアクションとして中国産の食品離れが徐々に進行している。ただ、消費者には限界がある。多少の出費を我慢して国産を選択できるのは、原産国名が表示されている食品だけである。加工品の場合、原料原産国を表示しなくても良い場合があり、こうなると値段だけでの判断が適当かどうか疑わしい。

 外食産業もそうだ。先進的な飲食店では主要なメニューの原料原産国を表示するようになったが、それもほんの一握りに過ぎない。私自身もワンコイン・ランチや低額飲み放題コースの恩恵に被ってはいるが、中にはかなり無理しているなと感じるものも多い。というか、これはどう見ても輸入加工食品を使わない限り不可能だろうというものが多く見受けられる。

 やまけんさんは消費者には購買するという権力があるとしているが、表示されないものを見抜ける消費者はごく限られた人間だけである。だらこそ、やまけんさんはオフ会を通じて、消費者を生産現場でレクチャーしているのだろう。時間のかかることだろうが、実践している姿勢は敬服するしかない。

 決して、意地悪い反論をするつもりはさらさらないので、先に弁明しておくが、消費者がいくら意識を持って安全性の疑わしい外国産食品や産地の怪しい食品をボイコットし、適正価格で国産食品が販売されるようになったとしても、製造業者、流通業者、販売者のモラルが向上しない限りあまり意味がないように思える。この辺はやまけんさんも立場上、深く追求できなかったのだろう。

 食品の安全性、信頼性を大きく損なう食品偽装事件は今でも後を絶たない。今回のメラニン牛乳のような毒物混合による贋造(がんぞう)はさすがに日本では見られなくなったが、安い外国産の食品を国産と偽る産地偽装は数年前のカキやアサリを始め、最近でもウナギやトラフグ、アブラボウズなど、減るどころか逆に多発しているようにも見える。これらは消費者の需要に追い付くための補充と言うより、より多く儲けたいからの偽装、いや詐欺に他ならない。

 さらに悪質なのはミートホープの牛肉偽装、(株)比内鶏の鶏加工品偽装、船場吉兆の牛肉偽装(すき焼き)、丸明の飛騨牛偽装・・・等々、安い原料を高級品やブランド品に偽装して儲けている連中だ。これは、一次生産者や消費者の努力ではどうすることも出来ず、内部告発で初めて世に晒される愚劣な行為である。これらの業者のモラルが改善されない限り、食品の偽装は今後もなくならないだろう。やまけんさんが提唱する消費者が行動を起こして是正する運動に加え、浜の真砂のように尽きることのない悪徳業者の更生と厳罰化いう両軸から攻めていかねば、食品偽装を根絶やしにするにはほど遠いと感じている。

 いずれにしろ、やまけんさんを始め、業界内部の裏事情に詳しい専門家による呼びかけは消費者にとってもよい刺激となる。読者の中にも消費者側から出来る行動を始めた方々が既に出ているようだし、本書を通じて日頃の買い物の際に表示内容に目を通し、少し考える人が増えただけでも、やまけんさんの意志が通じたと言えよう。消費者側からの行動を少しでも押すために、私は本書の一読を是非お薦めしたいと思っている。

本書は反響が大きく、品薄気味と聞いておりますので、お近くで入手出来ない場合は、左カラムのお薦め書籍(Amazon.co.jp )も参考にしてみて下さい。
                                                  

                                                                                                   サエモン

 

 

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キヤ

URL | [ 編集 ] 2008/09/27(土) 19:42:58

はい。
この本(人)の話題が出てうれしいと思う人の一人です。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2008/09/27(土) 21:25:09

  キヤさん こんばんは。

 キヤさんもやまけんさんご存じでしたか。
すごい人ですよね。日本中飛び回って生産現場を
知り尽くしています。

 ですから、食べ物の解説ところは説得力があります。
ただ、食品偽装の根絶は生産者や消費者を裏切っても
儲けたいという人間がいなくならない限り不可能でしょうね。
最近は発覚しても開き直る社長の多いこと。呆れます。

風写

URL | [ 編集 ] 2008/09/28(日) 06:49:32

おはようございます
この問題については日夜感じていたことがありました。

最近、大手のスーパーやコンビニ等の、生産者から直接買い付けが増えています。これはいろんな意味で良い方向だと思っています。買い手市場になってしまっているのを除いては。

一方、穀物等を中心にして、昔の専売公社のような食糧管理の仕組みがこの国にはまだまだ根強く残っていると思うのです。法律に縛られている部分もそうでない部分も。

流通の安定という意味では中間業者の存在がプラスになることがある点も否定はできません。
また最近の燃油高騰の補償問題は、今のシステムでは行政の介入が求められてしまうのも理解できます。

そういった中で、今回大きな被害は出ていないものの、食糧の品質が保てなかったルートは、古い体質が残っていた部分で、その結果、病院の食事や学校給食に汚染素材が供給されてしまったことは、残念ですが、明白な事実ですね。

結局, 社会保険庁や、道路建設行政と同じで、昔ながらの仕事を続けている組織は、基本的に麻痺しているんでしょうね。これは私たちも自戒しなければなりません。

やまけんさんのレポートは、週刊アスキーで愛読していました。
必ず自分が食べているところが写真で載っていましたね。良心的なのかな。

サエモン

URL | [ 編集 ] 2008/09/28(日) 09:06:41

  風写さん おはようございます。

 産直がこのところ第2次のトレンドとなっているようですね。それも最大大手の量販店も乗り出してきたと。

 私は以前から産直方式で現在の大量な物流が処理しきれるのかという疑問がありました。産地の市場に毎日多種多様な生産物が集まり、それを買受人が競り落として、仲卸市場や消費地の大きな市場で販売者に売る。さらに、販売者が消費者にという一見回りくどいこのシステムが生産物を消費地に大量かつ迅速に配給する方法として定着してきたのだろうと思います。

 産地の生産者と消費者が直接やりとりする第1次産直は確かに鮮度の良い信頼の出来る生産物が入手できますが、運ぶパイプが細すぎますね。日常は既存のシステムの上で生産物を購入し、それにプラスする形での産直なんですね。

 今、大手量販店がやろうとしている産直は巨大化した組織が既存のシステムに成り代わろうとしているように見えます。生産者→大手量販店→消費者とスッキリしたように見えますが、大量の多種多様な生産物を扱い、消費地に送り込むためには大手量販店内に生産物の集積基地と中継基地、それと大規模な配送センターが必要になり、結局、既存のシステムに近づくと思うのです。

 その結果何が生まれるか。特定の量販店が食料物流の大部分を牛耳ることになりますね。現在、すでに生産者や加工業者は量販店に対して定時・定量・定価格の納入を迫られ、滞るとペナルティーという縛りを受けています。このことが採算の合わない生産者価格に導いていると指摘する人もいます。そもそも、気象や海況に左右される一次生産で定時・定量・定価格は無理がありますよ。その一方で大手量販店の魅力はいつでも同じものが定額であることなので、それを補うためには輸入品も使わなければならなくもなります。

 それにしても、その流通を監視監督するはずの行政が一番遅れているのでしょうね。国民の健康より、立入調査という接待に現を抜かしていたのですから、どうしようもありません。本来、国で金をかけて処分するはずの事故米を三笠フーズが肩代わりしていたのですから、癒着と黙認の構図を疑われても仕方ありません。

 ご存じかも知れませんが、やまけんさんのブログは『やまけんの出張食い倒れ日記』http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/ です。いわゆるグルメサイトではありませんと理書きがありますが、このブログタイトルは崇高な内容と一致しないように思いますね。^^

 朝から長々スミマセン。m(..)m











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