菊池牧場の無添加ソーセージ
カテゴリー: 紹介:加工食品・調味料
昨年末に盛岡在住のちょろりさんご夫妻が来仙なされ、松島方面を案内させて頂いたのですが、その際にテニスボールより大きい原木椎茸(関連記事)と菊池牧場さんの無添加ソーセージを頂きました。なかなか、落ち着いてソーセージの記事をまとめられず、年を越して今日のアップとなりました。 m(..)m
菊池牧場さんは盛岡から40Kmほど北の七時雨山(1063m)の麓にあります。いわゆる観光牧場ではなく、家族経営なので見学に対応できず、公開しているのは年に数回のイベントの時だけだそうです。ラベルのデザインも子供の絵でしょうか、家族経営っぽいですね。大いに期待できそうです。もちろん、ちょろりさんのご推奨なので、間違いはありません。しかも、ご主人の菊池淑人さんはドイツのバイエルン州とオーストリーのチロル州で2年半、食肉加工の修行をしてゲゼル(熟練工)の資格を取得しています。本場バイエルン・チロル地方の製法そのまま再現し、安定剤や防腐剤は一切使わない無添加ソーセージ(無塩せきソーセージ)を丹精こめて作っておられます。
今回頂きましたソーセージは、太物タイプ(JAS法でいうボロニアソーセージ;直径36mm以上)ではアウフシュニットとリントビアシンケン。
アウフシュニットは羊や豚に詰めて作るのでなく、人工的なケーシングにより製造されます。ハムのように薄くスライスして冷たいまま食べるのが一般的です。アウフはドイツ語で上を、シュニットはスライスを意味します。つまり、パンなどの上で食べるスライスソーセージのことです。このアウフシュニットは最も基本的なプレーンタイプ。一方、アウフシュニットの一種であるリントビアシンケン。ビアシンケンってのは日本でもよく見るけどリントとは何だろうと辞書を引くと、牛肉(Rindfleisch リントフライシュ)のことのようです。実際、このリントビアシンケンには牛肉の塊がゴロゴロと入っていました。シンケン(Schinken)はドイツ語でハムのことですが、ハムは塊の肉を原料とします。ビアシンケンはそれほど肉が塊でたくさん入っているソーセージとい うことでしょう。
続きまして、日本でもすっかりお馴染みなったフランクフルトソーセージの仲間です。白い方はヴァイスヴルストです。ちなみにJAS法ではフランクフルトソーセージを直径20mm以上 36mm未満と規定しています。
フランクフルトソーセージはドイツ語ではフランク フルター・ヴルスト (Frankfurter Wurst)。ヴルストはソーセージののことで、バイスブルスト(ヴァイスヴルスト)は白いソーセージのことです。 Wurstを日本語で表記するのは難しいようで、少なくともブルストと発音すると、肉屋さんでは鶏の胸肉を出されるとか。ヴァイスヴルストはドイツ南部バイエルン州はミュンヒェンの伝統的なソーセージ。1857年にミュンヒェンの肉屋「Zum Ewign Licht」で誕生しました。焼きソーセージの羊腸を切らした店主がかわりに豚腸を使ったところ、羊腸に比べ太く仕上がり、焼くとはじけるので茹でて販売したそうです。 それが人気になりバイエルンに広がったと言われています
アウフシュニット(太物ケーシングソーセージ)は定法通り薄く切って、パンや野菜と頂いてみましょう。
リントビアシンケンには緑の粒々が入っていますが、よく使われるピスタチオかと思ったら、菊池さんではグリーンペッパーを使われているようです。これが口の中で弾けると良い刺激になります。ご覧のとおり、このビアシンケンには牛肉の塊が半量近く混合されていて、そのまま食べると口の中でローストビーフの味わいになりました。一方、アウフシュニットはプレーンだけに極太ソーセージといった感じです。でも、今までに食べたことのないくらい肉汁が含まれていて、しっとりしています。
菊池牧場さんのソーセージには名称が無塩せきソーセージと表示されています。無塩せきとは、塩せき(原料肉を漬け込む)工程で、発色剤(亜硝酸ナトリウム・硝酸カリウム)・着色料を使用していないものをいいます。発色剤の使用はメーカーでも賛否両論あるようですね。亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムには殺菌効果もあり、最も恐ろしいボツリヌス菌の繁殖も抑えられるというメリットもあるとされています。ですが、亜硝酸Naは発がん性物質であるニトロソアミンを生成することは事実です。一日に大量に食べないから大丈夫とされていますが、そういう理屈で添加物の多い食品が当たり前になったら、空恐ろしいことです。
菊池牧場さんのソーセージは無塩せきなので確かに色はピンクに発色してはいませんが、市中に出回っている発色剤を使ったソーセージとは比べ物にならないほど美味しいのです。
アウフシュニットの名前の通り、パンに乗せて頂こうと思ったのですが、生憎ロールパンしかなく、挟んで頂きます。
調理パンとしては最高に美味しいのですが、これらのソーセージはそのままをワインかビールで味わいたいですね。
シュニットはスライスという意味ですが、ちょっと贅沢して厚めに切り、フライパンでさっと炒めてみました。
牛肉ゴロゴロのリントビアシンケンは、何とビーフステーキになりました。目をつぶって噛んでいるとまさにウェルダンのステーキそのもの。アウフシュニットは少し脂が落ちてさっぱりしますが、肉汁も抜けて多少物足りない。やはり、これらの太物ソーセージはシュニットしてそのまま食べるのが一番のようです。無塩せきソーセージの場合は、上記の理由から加熱してお召し上がり下さいと表示しなければならない掟となっていますが、それじゃ、これらのソーセージの本領が発揮されません。
続きましてフランク フルター・ヴルストに移ります。これらはボイルして頂くのが一般的です。
熱湯に急に入れると破裂してしまうので、75℃くらいのお湯に5分ほど浸け、そのままテーブルに運びます。
まずは、フランク フルター・ヴルストです。うわっ、もの凄い肉汁。こんなフランクフルト食べたことない。
燻煙臭もきっちりしていて、燻製好きには堪らない香りとなっています。普段のフランクフルトの弾力が不自然に思えてきます。皮は少し硬めですが、苦にはなりません。
こちらは白いソーセージ、ヴァイスヴルストです。このソーセージは皮を剥いて中だけ食べるのが普通です。
手で剥いても構わないでしょうが、べとつきますので、ナイフでこのように切れ目を入れて、少しずつ皮から外しながら頂きます。
このヴァイスヴルスト、今まで食べたソーセージの中で一番フワフワかも知れません。夢のような噛み心地です。ドイツでは甘いマスタードで食べるそうですが、日本では見たことがありません。
中が柔らかいので、皮からすぐに外れます。つまり、皮と一緒に食べると、口の中に皮だけが残ってしまうのです。皮を剥いて食べる理由はここにあるのだと思います。最後に皮も食べてみましたが、普通にホルモンを食べているようでした。^^
いや、どれもこれも驚かされたソーセージでした。以前、ドイツにも行っておりますが、このようにソーセージが美味しかったか記憶にありません。むしろ、豚足料理であるアイスヴァインがあまりに美味しく、この記憶が他の記憶を消してしまったようです。この辺のところは、ドイツ在住歴の長い風写さんのコメントを待ちましょう。^^
菊池牧場さんのソーセージ類は通販もありますので、日本中の皆さまが召し上がれます。これと同じく盛岡のベアレンの地ビールを合わせたら、これはDer Himmel(天国)でしょうな。この組合せならこちらでどうぞ。
菊池牧場 http://www.yb-c.net/kikuboku/index.html
- 所在地 :岩手県岩手郡岩手町一方井1-256
- 電話 : 0195-62-2444
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