2月も下旬になりますと、天気の変化が激しくなります。季節の移り変わりが確実に始まっている証ですね。晴れますと陽射しはすっかり春なのですが、冬型の気圧配置に戻りますと、氷点下の朝や降雪に見舞われます。先日の雪も不意打ちを食らった感じでしたね。暖かった日が続いていたのですが、野山は一気に冬に舞い戻りでした。
我が家の畑も今は端境期。雪や霜に強い何種類かの菜っぱしか植わっていません。
雪の中から掘り出してみましょう。
これはつぼみ菜のまさに蕾(つぼみ)。もう春を感じて花の準備が始まっています。
つぼみ菜は秋に飢えて、冬の間は葉を利用し、春には薹立ちを始めますので、つぼみや若葉を食べます。寒さに強いの便利な青菜です。厳しい冬を堪え忍び、春に世代交代のために花を咲かせようとするのですが、それも食べられてしまうのです。まだ、小さなつぼみですが、春を先取りして、ありがたく頂きましょう。
こちらは雪の下でも元気なちぢみ菜です。真っ白に霜が降りても平気で生きています。
葉は縮んで厚く、凍らないように細胞内の濃度を高めて耐えているのでしょう。そのため、葉の甘味が強くなります。柔な菜っぱと違って、歯応えもしっかりあります。
本日は雪の下で頑張っているつぼみ菜とちぢみ菜をありがたく頂きます。
採り立ての野菜はシャキッとしています。この元気さも美味しさの決め手ですね。
つぼみ菜はやはり定番の芥子和えですね。まずは、さっと茹でて冷水に放ち色止めします。
この鮮やかな緑、これを極力維持して食卓に乗せるように努力します。
芥子和えの調味液ですが、今日は手っ取り早く練り芥子と麺つゆを使います。
麺つゆだけですと甘くなりすぎますので、醤油と半々にし、水で薄めます。これに練り芥子を溶いて調味液を作ります。
よく水気を切ったつぼみ菜をこの調味液に10分ほど浸して出来上がりです。
調味液もつぼみ菜を浸す直前に調製します。前もって作っておくと、辛味が揮発してしまいます。それと必要以上に調味液に浸しておきますと色が悪くないますので注意して下さい。
一方、ちぢみ菜は厚揚げやキノコ類と中華風の炒め物にします。
ちぢみ菜といえども、青菜は加熱しますとがさが減りますので、副材料でボリュームを確保します。
ちぢみ菜は手でバラバラにしながら、大きい葉は二つに千切ります。
根元に泥が入り込んでいますので、ばらした後によく洗います。
味付けは醤油とオイスターソースと豆板醤です。香り付けに生姜、大蒜と葱の青い部分を使います。
調味料は事前に合わせておきます。サラダ油で生姜、大蒜、葱を炒めていきます。香りが出たら、これらを取り除いておきます。この香り油はまとめて作っておく便利ですが、作り立ての香りには敵いません。
最初に色紙に切った厚揚げ、キノコ類を炒め、続いてちぢみ菜を加えて炒め合わせます。
ちぢみ菜に火が通りきる直前に合わせ調味料を混ぜ合わせて出来上がりです。
雪の下で甘味が濃縮されたちぢみ菜の炒め物です。
オイスターソースだけの旨味で食べますが、それでもちぢみ菜の美味しさがよく分かります。これに粉末や顆粒の中華ダシの素を入れてしまいますと、ちぢみ菜の美味しさが分からなくなります。
本来ですと青物が一番手に入りにくい時期ですが、このような寒さに強い菜っぱ類はありがたい存在です。ところが、街のスーパーに行きますとトンネル栽培や暖かい地方からの野菜が溢れかえっています。お陰で食生活が豊かになったのかも知れませんが、四季折々の食材を有り難がる気持ちはいつの間にか薄れてしまいましたね。このままでは食材はスーパーで作られるものと勘違いする人も出てきそうです。地産地消や自給率向上と叫ばれていますが、一年中、生鮮食材が同じ価格で売られている不自然さに消費者も気付くべきでしょう。そして、それのツケがどこに回っているのかを考えるべきですね。
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