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磯ツブを頂きました

カテゴリー: 料理:貝類

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  志津川出身のご近所さんから、お裾分けですがと茹でた磯のツブを頂きました。ご実家がワカメの養殖をやっておられ、作業の合間を見てツブを採って送ってくれたそうです。ツブとは食用になる小型巻貝の総称で、分類学的な名称ではありません。春山の山菜と同じく、日中に潮が引くこのシーズンに磯で採る海の恵みです。ただ、磯の貝類は大概、漁業権の対象種となっていますので免許されている漁協の組合員の方々しか採ることができませんのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 


 食べる分を皿に盛り、よく見てみると何種類かが混じっているようですね。
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 磯ツブとは磯にいるツブ類の総称ですから、当然、一種類ではありません。実際、宮城県でも何種類の巻き貝をツブと呼んでいるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつもの詮索癖が出てしまい、ツブの山から選り分けてみますと、このような3種類が混ざっていることがわかりました。
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 上から反時計回りでレイシガイイボニシクボガイの3種類でした。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 まずこれは、アクキガイ科レイシガイです。アクキガイって悪鬼貝と書くらしく、鬼の金棒のような棘を持った貝なのですが、このレイシガイの棘は丸いコブのようで穏やかな様相です。
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 アクキガイ科の貝類は肉食性で、他の貝類やフジツボ、珊瑚などを食べるために、貝類養殖の邪魔者とされ駆除もされるそうです。他の貝類を襲う時、歯舌という針を通じて、鰓下腺から麻酔作用のある分泌液を相手の体に打ち込み麻痺させてしまう技を持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 巻貝は殻の奥までぐるぐると内臓が詰まっていますが、これをきれいに取り出すにはちょっとした技術が要ります。この内蔵も美味しいので練習しましょう。
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 薄い茶色い蓋に続く、肉の部分に爪楊枝か串を刺し、最初は少し引き出すようにしながら、内臓が見えてきたら、殻のねじれに従って殻を反時計回りに回します。短気を起こすと美味しい内臓の部分が切れて取れなくなってしまいます。上記のようにアクキガイ科の巻貝には鰓下腺があり、ここがピリッと辛いのです。この辛味もやがては旨味に感じるようになります。浜ではこの貝を辛ツブと言うこともあります。ちなみにこの鰓下腺は奥の内臓部にあるのではなく、手前の筋肉部にあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 こちらは同じアクキガイ科イボニシです。レイシガイよりやや小型で殻のコブの出っ張りも低めです。よく似ていますが殻の内側がレイシガイと違って黒いのが特徴です。
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 この貝にも鰓下腺があり、麻酔薬を分泌します。これらアクキガイ科の貝類の鰓下腺分泌液は太陽光に当たるとやがて紫色に発色します。紫色の色素は日本では植物から抽出してきましたが、地中海沿岸では紀元前からこれらアクキガイ科の貝類から取ってきました。この色素を貝紫Tyrian purple)と呼んで、高価に取引されたそうです。なにせ、1g集めるのに数千個の貝が必要だったからです。主に王族貴族の衣服や装飾用に使われたため、Royal purple とも呼ばれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イボニシにも鰓下腺がありますので、ピリッと辛いのが魅力です。
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 レイシガイ同様、肉質は良好で、噛んでいると甘味と旨味が広がります。続いて、苦味と辛味がやって来ます。どちらかというと大人の味なんでしょうね。殻から引き出しながら酒のあてにするのがよいでしょう。磯の香りと日本酒が口の中で上手い具合に融和してくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらは前二種と違って、ニシキウズガイ科に属するクボガイです。アクキガイ科が肉食のチーターやジャッカルだとすると、こちらは草食のインパラやガゼルに当たります。
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 岩の表面についている小型の海藻や珪藻を食べて穏やかに過ごしています。宮城の海ではクボガイの他にしったかと呼ばれる太白山のような形(円錐形)をしたコシダカガンガラという貝も多く分布するのですが、今回は混ざっていませんでした。

 

 

 

 

 

 

 


 クボガイはレイシガイやイボニシより身が細長く、身を取り出す時には慎重になる必要があります。
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 アクキガイ科のような辛味はなく、草食貝らしい穏やかな味わいで海藻の香りも感じます。このニシキウズガイ科の巻貝は日本海や関東以西でもシタダミとかシタナミと呼んで珍重しています。それも、いにしえの時代から。


 

 万葉集巻十六の能登国歌に、なんとこのシタダミの調理法を歌ったものがあるのです。要約すると、石で殻を割って、身を川水でよく洗った後、辛塩でよく揉んで、高坏に盛って供するというものです。生の貝の塩揉みなのですが、なんと美味しそうなことでしょう。今度、生きたツブが手に入ったらやってみたいと思います。

 

 

 

  

 

 

 

 の春の旬味、ツブを色々いじってみましたが、やはり、古くから身近な貝だったので、様々に利用されてきました。ツブは砂浜のアサリのように馴染みやすい貝類です。ただ、にはアワビやウニといった高価な資源も住んでいるため、一般の人がで貝類を採ることを嫌います。中にはツブ類まで漁業権の対象種として管理下に置いているところもあります。内陸部の方々がで遊んで、ツブを採り、それを家族で味わうことができれば、への親しみ、さらには漁業への理解も深まると思います。アサリの潮干狩りのように入場料を取って開放してみたらどうでしょう。もちろん、アワビとウニは御法度で、ツブのお持ち帰りも配布する袋に入るだけと制限すればよいでしょう。お土産にワカメやフノリなんかも売れると思いますけど。

 

 

 


 

 

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