オニグルミの割り方、実の取り出し方
カテゴリー: 料理:山菜・筍・茸
この写真は9月中旬のものですが、これが何の実かわかりますか。知っている方はかなりの山人(やまんちゅう?)ですね。これはヤマグルミとも言われることがありますが、正しくはオニグルミの実です。まだ、外皮が覆っており、クルミらしさが感じられませんが。このオニグルミが日本在来のクルミで、餅の餡や料理に古くから使われてきました。
良く殻付きで市販されているクルミは大部分が外来の栽培種であるカシグルミやシナノグルミで、ケーキなどに利用されています。こちらのオニグルミはめっぽう硬く、手ではもちろんドライバーぐらいでは歯が立ちません。追って、開け方を説明しますが、苦労の甲斐がある濃厚な味が楽しめます。
山の沢沿いなどにこのような木を見たことがありませんか。9月に入りますとオニグルミはこのように緑の実を房状に付けます。
オニグルミは自生していることが多いのですが、私有地の物は利用されている場合がありますので、ご注意下さい。
地面に落ちた緑の実は数日で黒くなっていきます。黒くなった外皮の方が外しやすいのですが、手が真っ黒になります。
緑の外皮が少し黒くなり脆くなり始めた頃がきれいに外せます。中から硬いクルミが出てきます。これをよく洗って、乾かします。
ベランダで乾かしている絵ですが、上に網をかけないとカラスが持っていきます。
カラスは大変賢く、このクルミを車道に置いて、車に轢かせて割り、中身を食べています。あと、このクルミを食べることが出来るのは歯の丈夫なリス等の齧歯類と知恵の回るサルくらいでしょうか。脂肪分が50~60%あり、冬を迎えるための大切な食料です。それを少々失敬してきました。感謝して頂きます。^^
オニグルミの割り方は諸説ありますが、私は単に中華鍋で15分くらい炒り続けます。こうすると合わせ目に隙間が出来るのです。
水に一晩浸けてから炒めるという説明もありますが、比較したところほとんど差がありませんでした。
こんな感じで隙間ができます。
オニグルミには先の尖った実と丸い実とがありますが、同じところに落ちていましたから、種類の差ではないようです。
この隙間に包丁を先込み、まな板にトントンと打ち付けます。
刃こぼれの危険性もありますので、古い包丁を使って下さい。
そうしますときれいに半分になります。
この後が大変なのです。内側に仕切っている殻の一部が見えますが、これがまた硬いのです。ですから、外来クルミように形のまま取り出すのは不可能に近いのです。
私はカキ剥きナイフを使ってほじくり出しています。
歯を差し込んでいる部分が深く実が入ってますので、ここから取り出すと比較的実が大きな塊で取り出せます。
30個のクルミを割って実を取り出すのに一時間半ほどかかります。
家におばあちゃんが居たら、こういう仕事任せたいなぁ。嫌いではないけど、相当根気が要ります。ちょっと、つまみ食いしながら剥いてきましたが、外来種のクルミとは違って、味が濃厚で脂肪分も多いように感じます。さて、これをどう食べましょうか。^^
山で拾って、洗って乾かすのに2週間ほど、煎って割って実を取り出すのに30個で1.5時間。それも、市販の外来種のクルミのようにきれいには取り出せません。これから、この剥きクルミを使って、色々料理を楽しみたいと思っていますが、大抵のクルミの料理は刻んだり、擂ったりして使うので、細かくなっても一向に差し支えないのです。次の記事からこの濃厚な味のオニグルミを使った料理をご紹介していく予定です。


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