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打ち上げ海藻で心太(トコロテン)を作る

カテゴリー: 料理:海藻

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  台風が通過した後の浜辺を歩くと、いろいろな物が打ち上げられています。一番目に付くのは残念ながらペットボトル発泡スチロールの容器なのですが、各種のフロート類(浮き)など、まだまだ使える漁具も打ち上がっています。私が子供の頃は、ガラス玉のフロートも使われており、たまに海岸で遭遇することがありました。今ならインテリアとしても人気があるのですが、もう製造もされていないでしょう。

 

 

 

 

 


 もちろん、海藻の仲間もたくさん打ち上がります。これらは一月ほど前に時化の後の浜辺を歩いて拾い集めた紅藻類です。もうすでに陽射しに曝されて乾燥し、色がなくなっているものもありました。
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 緑藻褐藻は打ち上げられて乾燥すると、すぐに乾燥して粉々になったり、コンブのように硬くなりますが、紅藻類は乾燥しても、膠(にかわ)のように弾力があり、なかなか崩れません。だからいつまでも海岸でその形を残しているのでしょう。


 

 なお、磯場に生えている海藻を採ると共同漁業権に抵触する場合がありますし、アワビの密漁と誤解されて、要らぬ騒ぎを招くこともあります。でも、このような打ち上げられた海藻は、山の落ち葉のような物ですから少々持ち帰る分にはまず問題はないでしょう。そこまで規制されたら、漁業のサポーターは誰もいなくなってしまいますからね。


 

 


 


 海藻類は大きく分けて、茶色の3種類に分類されます。各分類群ごとに馴染みの海藻を上げますと、以下の表のようになります。

 

 

分 類

主な食用種

緑藻類アオノリ、アオサ、海ブドウ(クビレズタ)
褐藻類ワカメ、コンブ、ヒジキ、モズク、マツモ
紅藻類アサクサノリ、テングサ、エゴノリ、イギス、フノリ

 


 

 

 以前の記事で、紅藻類のエゴノリやイギスなどを使った心太(ところてん)の類の郷土料理を紹介したことがありました(関連記事)。紅藻類の海藻からはテングサのように、食物繊維であるアガロースを豊富に含むので、よく干し上げたものを煮溶かして冷やすとゲル化するのです。これがいわゆる心太であり、庄内のえごねりであり、博多のおきゅうとであり、瀬戸内海のいぎす豆腐や島原のいぎりすですね。それと、以前、フノリを煮溶かして、蕎麦のつなぎにしたことがありましたが(関連記事)、残ったふのりペーストを冷蔵庫で冷やしたところ、心太のようなゲル化食品が出来ていました。つまり、紅藻類には含有率の違いはあれ、どれもアガロースを含むだろうと思い、打ち上げされた種々の紅藻類を使って心太のようなゲル化食品ができるか試してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 よく見ると、テングサのようなものから、トサカノリやムカデノリのような海藻まで、様々な紅藻が混ざっています。
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 昔の人は、これらの中から、効率よくゲル化食品が作れ、しかも美味しいものとして、テングサ類やエゴノリ、イギスに絞り込んで行ったのでしょう。その努力に背いて、なんでもありの紅藻ミックスで果たして心太が作れるでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 波打ち際に打ち上げられ、砂まみれになっていた海藻です。十分に洗ってからザルに広げて乾燥させます。
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 相当ゴミも含まれていますので、丁寧に洗って、汚れ水が出なくなるまで洗いましょう。赤から脱色されて白い物まで自然な美しさを感じます。


 

 

 

 

 

  


  晴れた日にはベランダで日光に曝し、雨が降りそうな時は取り込んで10日ほど乾燥を続けますとのようにカリカリになりました。
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 カリカリになってますが、さすがに丈夫な紅藻類です。パラパラ崩れることはありません。

 

  

 

 

 

 

 これをまた、真水で洗いますと元のボリュームに戻りますが、だいぶ脱色されています。
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 この乾燥と水洗いを3回ほど繰り返します。そうすることで、石灰質の付着物やゴミがどんどん取れていきます。

 

 

 

  

 

 

 

 最終的にはこんな感じになりました。量もかなり減っているように見えますね。
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 これくらいになれば、取り込んで保管してもよいでしょう。せっかく乾燥させた海藻ですので、湿らせないように密封します。

 

 


  

 

 

 

 

 それでは、この乾燥紅藻を使って、心太が出来るか試してみます。一つかみ(約50g)を水で戻してみます。
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 白木耳のような見事な白色です。あの紅藻が、乾燥と水洗いを3回繰り返すことでここまで浄化されるのです。

 

 

 

 

  

 

 通常、乾燥テングサの場合は、50gに水2リットルで煮ていきます。しかし、雑多な紅藻類ですので、少し濃度を高めるために1.5リットルから煮始めます。

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 戻した紅藻は水から煮立てますが、心太は大部分が水分ですので、水は天然水か浄化水を使いましょう。沸騰したら、海藻が溶けるのを速めるために食酢を大匙1杯加えます。

 

 

 

 

 

 

 

 30分以上掻き回しながら煮続けますが、まだまだ、海藻の断片がなくなりません。
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 火を強くするとすぐに吹きこぼれます。できれば、このような山本鍋を使うと安心です。この鍋はパスタや蕎麦を茹でる時でも絶対吹きこぼれないので、他の作業を同時進行できる優れ物です。詳しくはこちらをご参照下さい。

 

 
 

 

 

 

 

 45分ほど煮続けて、分量も半分くらいになりましたが、海藻の小片はなくなりませんので、漉すことにしました。
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 一つはガーゼでがっちり濾過したもの。もう一方は、ザルだけで漉して海藻の粒子も入れました。

 

 

 

 

 

 

 

 漉した海藻濾過液はこんな感じです。粗熱が取れましたら、冷蔵庫で冷やし固めます。
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 左がガーゼ濾過、見かけは通常の寒天液と変わりませんね。右は少々粗い濾過液です。埃のような粒子が混在します。確実に食用として用いられてきた海藻であれば、えごねりいぎす豆腐のように濾過しないで固めてもよいのでしょうが、得体の知れぬ海藻も混じっていますので、このような濾過をかけました。

 

 

 

 

 

 

 

 固まるまでの間に、調味液を準備します。でも、固まらなかったらどうしよう・・・。えい、ままよ。
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 心太というと、酢醤油か黒蜜が定番ですが、それでは、芸がありません。今日はがっつりだしを効かせた蕎麦つゆで薬味に山葵、長葱、海苔、白胡麻を揃えました。要するにぶっかけ蕎麦風に食べようという企みです。もう一つは、芝麻醤(白胡麻ペースト)に塩、醤油、味醂、レモン汁を加え、微塵切りの長葱と生姜を混ぜたソース、つまり、棒々鶏ソースで頂きます。

 

 

 

 
 

 

 

 

 両方とも何とか固まりました。何とか・・・。見た目は普通の心太ですが、弾力が弱く非常に脆いです。
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やはり歴史の過程で厳選されてきた海藻とは違いますね。雑海藻の混成部隊は、やはりそれなりです。ただ、寒天や心太と比べるから、そうなんであって、この弱々しいゼリー状の物体は、決して悪い口当たりではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 当初計画通り細心の注意を払って、心太突きで突き出します。
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 なかなか長くはなりません。ブツブツ切れますが、それはそれ。シリコンのように硬い心太はあまり得意じゃありませんし。

 

 


 

 

 

 

 さっぱりとぶっかけ蕎麦風に頂きます。
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酸味がないと心太らしくないと思われる方もおられるかも知れませんが、がっつりだしの利いた蕎麦つゆで食べる心太もなかなか良いものですよ。先入観を捨てて、目を瞑って味わってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 続いて、棒々鶏風の心太。甘い胡麻だれでも会いそうですが、あえて棒々鶏ソースなのです。
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 実はこれは一か八かの勝負です。なにせ、直前に思い付いたのですから・・・。^^

 

 

 

 

 

 

 よく混ぜ混ぜして頂きます。味がぼやけた時はちょこっと醤油を垂らすと良いでしょう。
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 これは当たりましたね。中華の前菜にも使えそうです。クラゲと思いきや口の中で崩れてしまう裏切り感が面白いです。

 

 

 

 

 

 

 

 今回は1ヶ月ほどかけて、心太と向き合ってみました。寒天パウダーの陰にはこのような仕事が隠れていたのですね。波打ち際で拾った雑多な海藻で作った心太はアガロースの抽出が今一で、2倍の濃度でも普通の心太より脆い物しか出来ませんでした。やはり、人間はこのような試行錯誤の上に、テングサイギスエゴノリなど、純度の高いゲル化食品ができる紅藻類に辿り着いたのですね。さらに、心太は信州などの山国で凍結乾燥を繰り返し、あの角棒状の寒天にまで加工されたわけです。海から山で巡り歩いて出来上がった純度の高い寒天は人間の知恵の結晶と言えそうです。

 

 さらに、寒天心太はカロリーを無視できますので、食前に小鉢一杯食べておくと、その分お腹が塞がります。それに、栄養がないと思われていた寒天ですが近年、主成分の食物繊維が血圧、血糖値を下げたり、悪玉コレステロールを減らしたりする効能があることがわかってきています。まさに、私にピッタリの食材なのです。今度から晩酌には海藻ゲル化食品も取り入れようにしましょう。それに料理の可能性もまだまだ広がりそうですし。

 

 

 

 

 

減量3日目:体重は少し減ったけど、体脂肪が減らないなあ。酒減らそう・・・^^ 

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ぱんだ(親)

URL | [ 編集 ] 2009/11/12(木) 06:35:55

師匠おはよーございます。3日目で体重結構動くモノですね。毎日トコロテンだけじゃないっすよね(笑)

毎度思いますが、1日の記事でまとめているから読むほうはササッと読めますが、海岸からお腹に入るまで、すんごぃ時間と手間がかかってますよね。本が1冊書けそうです。

大名マーク

URL | [ 編集 ] 2009/11/12(木) 10:02:28

この時間にコメント書きしているのは
仕事がヒマだからではなく今日は夜の仕事だからです(笑)

この記事を読んだだけでサエモンさんの食べ物に対する深い知識
がよく分かります
できあがったのは二品ですがそこに達するまでの経験や知識に
裏打ちされた試行過程が御見事です
食べ物を無駄にすることなく手間暇を惜しまずに美味しい物を
食べようとする心構えはフードブロガーの鑑ですネ

サエモン

URL | [ 編集 ] 2009/11/12(木) 21:53:03

  ぱんだ(親)さん おばんでがす。

 心太や刺身コンニャクもつまみにしていますが、
やはり、朝昼のご飯を減らすとてきめんですね。
次の記事ではさらに減ってますよ。正直ビックリ@@

 昔から山や海の物を取ってきて、手間をかけて
食べるのが好きでしたね。間もなく、1年前に仕込んだ
食べ物をご披露します。ただし、腐ってなければね。^^

サエモン

URL | [ 編集 ] 2009/11/12(木) 21:54:13

大名マークさん こんばんは。

 恐れ入ります。そこまで持ち上げられると何でも
やれそうです。^^ 逆風には強いのですが、追い風
には、とんと弱い笹舟です。

 現代においては、時間と手間をかけて食べ物を
作るのは、日常としてでなく楽しみとして伝承していく
しかないでしょうね。











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