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またまた、長い前振りから入りますので、お急ぎの方は飛ばして下さい。
毎年6月中旬を過ぎると仙台湾の奥の方までマサバが入ってきます。ほとんどが2歳以上で全長35cmを越えるものが多く、中には40cm以上で1Kg近い5〜6歳のサバも釣れたりします。同じマサバでも仙台湾に滞留して餌を飽食したサバは脂も乗って本当に美味しいんですよ。かつて大分で関サバの刺身を頂いたことがありますが、優劣つけ難しといったところです。
最近、石巻魚市場がこの近海で獲れるマサバに金華サバという名前を付けてブランド化を図っていますが、品質の基準はないようです。従って、巻き網でごっそり獲れたサバも石巻に揚がれば金華サバになるようです。
大分の関サバはいわゆる釣りサバで1尾ずつ丁寧に扱われ、刺身で賞味されています。地元の方々にも昔から愛されており、どこの料理屋に行っても新鮮な関サバの刺身を食べることができます。これがテレビや誌面で紹介されて全国的に有名になったもので、これこそ本当の地域ブランドと言えるでしょう。
品質基準がなく伝統的な地元消費がないにわかブランドである金華サバ。これに疑問を持った地元の鮮魚販売会社が独自の基準を設けて、本当に美味しい大型のマサバだけを金華サバとして扱っています。このような努力を何年も続けていけば、やがては真の地域ブランドとして評価されるようになるのではないでしょうか。
さて、いつもコメント頂いている壽丸さんが、先週、サバを釣ってこられました。居ても立ってもいられなくなり、さっそく行ってきましたよ。
サバはカタクチイワシの群れを追いかけて回遊しており、時折、イワシを海面に追い詰めます。すると、それを狙って海鳥が集まって乱舞します。この状態を鳥山が立つといい、サバ釣りの絶好のチャンスとなります。
本日、鳥山は立たず、水面で休んでいます(左)。でも、海中には時折、何かの魚群(右)が通過します。


すみませんが、鳥はかなり拡大しないと見えません。不思議なもので、鳥が休んでいる海中には必ず魚群の反応があります。何かを感じているのですね。サバはまだ先兵隊がやって来た程度みたいです。
サバはこんなもので釣れるのです。金属の疑似針でまるで玩具ですね。(左)
船頭さんの合図で一斉に投入、すぐに釣れます。釣れた傍ら、サバを首折りして海水に浸けます。ちょっと、残酷ですが空気中の悶絶死よりはましでしょう。(右)

サバの首を折るのは、釣り上げたサバが暴れて身を傷めるのを防ぐために脊椎神経を断つのと心臓に近い動脈を切って短時間に血を抜きやすくするためです。
いわゆる鯖折りというヤツですね。サバは生き腐れと言われるように鮮度落ちが速い魚なので釣り上げたら迅速に処理しなければなりません。その後、海水氷に浸けて冷却して鮮度を保ちます。これで、刺身にも出来る鮮度が維持されます。
殺生をした以上、美味しく食べて弔うのが釣り人の鉄則です。今晩はサバ料理を堪能しますよ!!
釣り上げてすぐに血抜きをして、海水氷で冷却してきたサバを色々料理してみます。鯖は鮮度の良いうちに調理を開始します。まず、三枚に下ろして塩をします。


サバは味噌煮以外、三枚に下ろして塩をします。塩は鯖の味に大きく影響しますから、自然塩を使って下さい。うちでは高知沖の海水で作った天日干し塩を使っています。 振り塩はうっすらで結構です。大量にまぶしても表面近くが塩辛くなるだけですし、中まで塩が行き渡る頃には外側は塩抜きをしないと食べられないくらい塩辛くなります。
塩をしたらクッキングペーパーに包み、紙の吸水力も使って〆ます(左)。
しめ鯖にする場合は調味酢に漬けます。(右)


塩をしたら、直ちに1枚ずつクッキングペーパーに包み、さらに新聞紙に包んで何枚かを重ねた上から軽く重石をして冷蔵庫に入れます。いわゆる紙〆の方法を併用するわけです。この方法は塩だけで〆るのと違って、塩分を少なくできるので塩辛くならないのと生臭い水分が身からすぐに離れるなどの利点があります。専用の脱水シートもありますが、塩+紙で十分です。40cm級のサバを刺身やしめ鯖にする場合は2時間で完了です。
しめ鯖にするには、塩をよく洗い落としてから、水気を拭き取り、醸造酢と味醂少々、昆布、生姜を合わせた調味酢に30分ほど浸します。 酢〆には鯖の身が入る容器が必要ですが、ビニール袋の方が便利です。時々揺すってムラをなくして下さい。酢〆が終了したら、サッと酢を切り、ラップに来るんで1日寝かせます。この理由は完成後に。
今宵は塩と紙で〆た鯖を土佐造りで頂きます。(左)
産卵期が近いので真子や白子も発達してました。甘辛く煮付けて酒肴の一つに加えます。これも釣り人の特権ですね。(右)


土佐造りは直火で鯖の身の両面を焼いて、すぐに氷水で冷やし、水気を十分に拭き取ってから冷蔵庫で完全に冷やします。鰹よりも身が柔らかいのですが、脂の乗りがきめ細やかです。オニオンスライスがよく合いますよ。ポン酢でも山葵醤油でもお好きなもので。
さて、真打ち登場。一日寝かせた〆鯖です。

酢〆のあと、冷蔵庫で一日寝かせるのは、酢や塩の作用を肉の表面近くだけではなく、中心まで均一に行き渡らせることにあります。
作り立てだとどうしても表面が酸っぱい刺身の感があります。かといって、酢にそのまま漬けておけば中まで白い市販のしめ鯖になってしまいので、酢から切り上げたあと、時間をかけて塩と酢をじっくり行き渡らせるのです。この方法は京都の鯖寿司の老舗いづうのテレビ放映で学びました。出来たてと全く異なり、身が締まってモッチリした感じになり、酸味や塩味も均一化します。もし、中まで白くなっていたら酢が効きすぎですので加減し下さい。
このしめ鯖、刺身としても秀逸なのですが、バッテラにしたり、最近流行の焼き鯖寿司にも使えて便利です。でも、出来上がりから2〜3日が美味しいのですが、以降は味が少しずつ劣化します。冷凍もできるようですが、また、釣れば鮮度の良いしめ鯖が食べられるし、シーズンオフになったら、また来年を待ち焦がれながら過ごせばよいのです。

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